俳優梅宮辰夫(うめみや・たつお、本名辰雄=たつお)さんが12日午前7時40分、慢性腎不全のため、神奈川県内の病院で死去した。

81歳。東映ニューフェースとして芸能界入りし映画「仁義なき戦い」など実録路線でスターに。6度のがんを経験も、今年10月までドラマ現場で俳優魂を見せていた。14日に密葬が営まれる。喪主は未定。お別れの会は所属事務所などが検討中。長女でタレント梅宮アンナ(47)妻クラウディアさん(75)も含め、幅広く活躍した。

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梅宮辰夫さんは、1人娘のタレント梅宮アンナ(47)を愛する「アンナパパ」とも呼ばれた。アンナは12日朝、神奈川県内の病院に駆けつけ、最期をみとったという。関係者によると、最愛の父の死に憔悴(しょうすい)しているといい、夜の段階でコメントなどは発表しなかった。

72年にクラウディアさんと2度目の結婚をし、同年アンナが誕生。その2年後に肺がんをわずらった。18年の日刊スポーツのインタビューで梅宮さんは「これは早死にをするなと切実に思った。結婚したことも、子どもを持ったことも後悔したほど。だから、1分1秒でも家族と一緒に長くいたいと心に決めた」と明かした。銀座通いから足を洗い娘を強く愛してきた。

90年代半ばごろからタレントとしてテレビ出演が多くなると、梅宮さんはアンナパパと呼ばれた。特にアンナが94年から5年間、羽賀研二被告(58=強制執行妨害目的財産損壊などの罪で公判中)と交際していた際には連日、メディアで2人の熱愛に困惑する様子が報じられ話題に。「羽賀には誠意が感じられない」というアンナパパに対し、羽賀被告は「誠意を伝えたい」と応戦。いつのまにか「誠意」が流行語になり、羽賀は「誠意大将軍」の異名を取ったこともあった。

02年に孫の百々果さんが誕生してからは「じっち」と呼ぶなど、父親代わりにもなって見守ってきた。今年1月には、TBS系「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」に出演し、アンナに“残しておきたい言葉”として「娘って本当にまともな恋愛をしてないんです。俺が死んだ後、どういう人生を送るかすごく気がかり。心根優しいアンナ。そういうお前を心してください。それをお前が『うん』と言えたら安心してあの世へ行ける」と涙ながらに話すなど、最後までアンナパパだった。