上方落語漫画「うちの師匠はしっぽがない(しっぽな)」の複製原画展のプレ公開が16日、大阪・天満天神繁昌亭で行われ、笑福亭仁智(67)、桂文也(67)、作者のTNSK氏が出席した。複製原画展は16日~来年1月12日まで開催される。

「しっぽな」は講談社の月刊誌「good! アフタヌーン」で今年1月から連載されている上方落語ファンタジー。大正時代、人間を化かすことを夢見て大阪に出てきた豆狸の女の子「まめだ」は人気落語家の「大黒亭文狐(だいこくていぶんこ)」に弟子入りを志願する。厳しくも優しい師匠との落語家修行の日々を描く。

2巻の発売を記念して複製原画展の開催に至った。今回の展示のために描き下ろしたイラストと本編名場面の複製原画が展示される。

TNSK氏が落語と出会ったのは2年半前。「(桂)歌丸師匠(の落語)を初めて聞いておもしろいと思った。そこから(桂)米朝さんの『たちぎれ線香』に衝撃を受け、上方の話を掘りあさるようになりました」と明かした。天満天神繁昌亭へ来るのは今回で9回目ほどだという。

次巻は来年5月に発売予定で、文也が「そのときに『しっぽな落語会』やりますか」と提案。TNSK氏が「仁智師匠も出てくださるならありがたいです」と話すと、仁智は「5月に合わせてきっと実現しましょう」と前向きだった。

文也がドラマ化の可能性について話すと、TNSK氏は「師匠(大黒亭文狐)は椎名林檎さん。『まめだ』は朝ドラのヒロインのような元気はつらつな女の子」とイメージを語った。仁智が「2巻に入浴シーンがあってドキっとした」と明かすと、文也は「椎名林檎の入浴シーンですか。『まめだ』は吉岡里帆ちゃんがキツネからタヌキに変身があるかも」と笑わせた。吉岡は日清どん兵衛のCMでキツネを演じている。

「まめだ」は上方落語協会に桂まめだ(52)がいるが、TNSK氏は「本人には何も断りを入れてません」。仁智は「どっちが勝つか彼にとってもライバルじゃないですかね」と話した。

今後、実在する落語家が登場するかと聞かれると、TNSK氏は「落語協会に…」。仁智は「その当時の実在の人が出てきても不思議じゃない。2巻を読んで、他のはなし家があまり出ないので、どういう出方をするか楽しみです」と話した。