ヒップホップミュージシャンのZeebra(48)らが、「ラップバトル」の罰ゲームで川に飛び込んだ高校生が死亡した川崎市の事故についてコメントした。

Zeebraは20日、ツイッターで「川崎の件。あまりにも悲しい出来事に心が痛いです」と率直な思いをつづるとともに、「自分世代は『ヒップホップの精神が伝え損ねたが故』と思いますが、ここでいうヒップホップの精神も我々世代と今の世代では乖離があり、本場アメリカでも昔は反対の立場であったハードドラッグで命を落とすラッパーが後を絶ちません」と、ヒップホップを取り巻く現状について書き出した。

ヒップホップがブームで若いアーティストたちが多数登場し、「世代間や歴史の断絶が進んでいるのが現状」だという。「問題が増えてる今こそ、ポジティブな意識を持つ事がカッコいいヒップホッパーなんじゃないかなと思います。『MCバトルだけじゃなくヒップホップの精神を伝える』という行為が必要とされる今、我々がまず向き合わなくてはいけないのはそもそも今のヒップホップが正しいのかという事。上の世代も上から目線ではなく、下の世代も何でも『老害』と切り捨てずに考えていけたらなと思います」とつづり、「もう若いラッパーが死ぬのを見たくありません。被害者の方のご冥福をお祈り致します」と悼んだ。

Zeebraとともにヒップホップグループ「KGDR(キングギドラ)」で活躍したKダブシャインは、「バトルでこんなことするのはヒップホップではない。スタイルだけ広めて、カルチャーを理解させないから変な誤解が広まるんだ。メディアがバトルで勝つことを、いい歌を作るより価値があると思わせてしまったのではないか?もしイジメにラップを悪用したのなら、それはヒップホップの意向とは真逆になる」とし、「ラップバトルで罰ゲームなんて断じてヒップホップではない。仲間内のフリースタイルで、そんなことするなんて本当にありえない。メディアがバトルだけ取り上げて、ちゃんとカルチャーを伝えないから、悪質なバラエティ番組みたいな真似をするんだ。ラップバトルは勝っても負けてもユニティを忘れるな!」とつづった。