東京では1月、4つの劇場で歌舞伎公演が行われている。歌舞伎座、新橋演舞場、浅草公会堂、国立劇場だ。

いくつかの劇場では、初日の鏡開きなどが行われ、取材をした。国立劇場では、尾上菊五郎らが出演し「通し狂言 菊一座令和仇討」が上演されている。鏡開きでは、尾上菊之助が、昨年12月8日に新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」に出演中、左ひじの一部を亀裂骨折したことに触れた。

壇上に上がっていたところを、自分のあいさつの番になると律義に降壇し「新年のごあいさつの前に」と言って「8日の(昼の部)幕切れと、夜の部のチケットを買っていただいた方、ご覧いただけなくて本当に申し訳ございませんでした。途中からだいぶ回復して、演出もだいぶ元通りになりました。千秋楽まで務められましたこと、みなさまのおかげと御礼申し上げます」と、感謝の言葉を述べた。

けがをした左手でマイクを持ったことも、心配してくれるファンへの気遣いだったのかもしれない。菊之助は「けがの具合につきましては、千秋楽が終わった後、病院に行きましたところ、骨も無事に付いておりました。あとはリハビリをして、ちゃんと動くようにじっくりリハビリを心がけてまいりたいと思います」と笑顔で報告した。

昨年10月期のTBS系「グランメゾン東京」で演じた役名「丹後さん!」と掛け声が掛かったことも興味深かった。けがのリハビリに励みつつ、いろいろなことに挑戦する1年になるに違いない。