昨年大みそかの「第70回NHK紅白歌合戦」の第2部(午後9時)の関東地区の平均視聴率が37・3%と、視聴率データが残る62年以降でも、さらに2部制になった89年以降でも最低の数字を記録しました。前年の41・5%から4・2ポイントもダウン。第2部だけでなく、第1部(午後7時15分)の数字も18年から3・0ポイントダウンしました。

また、第1部から第2部への変化(増減)を見ると、18年は第1部(37・7%)から第2部(41・5%)にかけて3・8ポイントアップしていますが、19年は1部(34・7%)から2部(37・3%)にかけては2・6ポイントのアップ。数字だけみると、紅白全般的に視聴者の関心が低く、第2部に特別企画を多めに配置して後半をより盛り上げようとしたNHKの狙いがうかがえましたが、結果に結びつかなかったようです。

19年の紅白は令和初、70回の節目、今年の東京オリンピック(五輪)を意識したプレ2020年というカラーが備わっていました。ビートたけしが歌手として初出場し、竹内まりやも初出場と、豪華メンバーが顔をそろえて素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

一方で、過度なメモリアル的特別感やお祭りムードは不要かとは思いますが、全体的にそうしたムードがあまりなく、もう少しあってもいいと思うほど例年とあまり変わらない雰囲気だった気がします。18年のサザンオールスターズのパフォーマンスを思うと、どうしても期待してしまう部分があるのかもしれません。ただ、あえて19年の紅白の印象を漢字1文字で表現すると「静」の紅白だった気がします。