演劇公演「関西演劇祭presents東京で芝居たろか!」(3月13~15日、東京・しんじゅくシアターモリエール)の発表会見が10日、都内で行われた。「関西演劇祭2019」で賞を総なめにした、オパンポン創造社の「最後の晩餐」とコケコッコーの「ほなさいなら」が上演される。

脚本賞、演出賞、ベストアクター賞、ベストアクトレス賞を受賞した「最後の-」のオパンポン創造社は野村有志による1人だけの劇団ユニット。野村有志は「他人(ひと)の人生を背負えないので」。「最後の-」は、地球最後の日に愛する人に会いに行ったら浮気をしていたことから始まる幸せをテーマにした愛の物語。登場人物3人が、ほぼ全編で全裸で通す。野村有志は「15年くらいやっているけど、他との違いを出すためにどこかに全裸を入れてきた。今回は結果として、全部全裸になった」と説明した。関西演劇祭スペシャルサポーターの映画監督の行定勲氏(51)は「すごく奥行きのある作品。素舞台に3人がいるだけなのに、いろいろな光景を見せてくれる。説明しなくても演技だけで全部伝わる。全裸だけど、すごく高尚。そのギャップですね」と話した。

ベスト脚本賞、ベスト演出賞、アクター賞、観客賞を受賞した「ほなさいなら」の劇団、コケコッコーは吉本の漫才コンビ、令和喜多みな実のボケの野村尚平(31)が主宰する。野村尚平は「軸足は漫才。大阪で12年間、ほそぼそ、ゆったりとやってきました。大阪で漫才をやりながら演劇をやっていると風当たりが強いけど、ようやく吉本の社員さんがあいさつしてくれるようになった(笑い)。吉本興業って本来、なんでもありで親しみを感じていた。所属してなんでもありを体現してみようと思った。後続で、何か形にしたいと思っている子がいたら、前例がないからというのが嫌だから、何か形にしたいと思った」と話した。