静岡県は1月31日、実行委員会選出の東京オリンピック(五輪)聖火ランナー内定者を追加発表した。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子(25=浜松市出身)と俳優別所哲也(54=島田市出身)を推薦枠で選んだ。「努力すれば夢を実現できる」というメッセージを発信するグループランナー10人に、昨年の高校自転車全国2冠の日高裕太(静岡北2年)や昨夏の全中陸上男子400メートルリレー優勝の吉田中の4人らを選出した。聖火リレーが県内で行われる6月24~26日のうち、今回発表の12人は初日に走る。

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会見場の百田のえくぼが、ますます深くなった。「私、オリンピック選手になるというのが人生で最初の夢だったんです!」。漠然とした夢だったが、情熱はあった。3歳で新体操を始め、陸上、水泳、バスケットボールに取り組んだ。ところが、5年生の時に芸能界へ。あらゆるスポーツで身につけた技術や体力は、国民的アイドルの土台にはなったが、夢からは遠ざかった。

でも、一発逆転!! 「まったく別の道を走ってきたけど、オリンピックに参加できるのは本当にうれしいです。初めて夢を見た場所で、走ることができるなんて」と、故郷からのプレゼントを喜んだ。「夢のためなら、お父さんとお母さんは何をやっても応援してくれた。家族に喜んでもらいたいです」と話すと、少しだけしんみりした。

百田は6月24日、県中西部で聖火ランナーを務める。場所は未定だが、走ってみたい風景はある。「『茶畑のシンデレラ』をキャッチフレーズにやってきましたから、茶畑を走ってみたい」。次々に夢やアイデアを、期待以上の形で実現させてきた。茶畑と聖火。静岡代表・ももクロ百田なら、抜群に似合いそうだ。【久我悟】