人間国宝だった故桂米朝さん夫妻を描く喜劇「なにわ夫婦八景 米朝・絹子とおもろい弟子たち」(16日まで)が1日、大阪松竹座で初日を迎えた。

米朝さん夫人の絹子さんを演じる真琴つばさ(55)は「手も足も出ないが、助けてもらって初日を迎えました」と話した。

母親役の三林京子(68)には特に世話になったといい、「あんたはお父さんやねん。お母さんになりなさい」とアドバイスを受けたことを明かした。三林は「長年男役で、感覚が男だから」と説明した。真琴がその助言を意識したのが、内博貴(33)演じる米朝さん夫妻の長男で後の桂米団治に対する愛情だった。

東京出身の真琴は関西弁にかなり苦労したといい「関西の方が多いので、異国の人が頑張っている感じ」。

たこ焼き店の店主役で、桂米団治(61)本人がゲストで出演。真琴は「米団治さんの奥様が『絹子さんとかぶるところがあった』と目を潤ませて言ってくれた」と明かした。

17年の脳梗塞から今作が舞台復帰の桂ざこば(72)は米朝さんの師匠で先代米団治役。久しぶりの舞台に「緊張した。前のときのは少し残ってるけど、あれから何年?」と尋ね、笑わせた。

米朝さん役の筧利夫(57)はざこばとのシーンで「セリフ覚えてきてください」とアドリブを見せ「ざこばさんからは『セリフの通りにやらない。浮かんだことをしゃべる』を教わりました」。ざこばは筧が横でセリフを教えてくれたことに感謝しつつ「脳梗塞ですから、訳分からんこと出てくる。みなさんも1回なってみてください」と笑わせた。