第92回アカデミー賞で作品賞など最多となる4部門を受賞した「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督(50)と主演のソン・ガンホ(53)が2月下旬、受賞の快挙と日本での大ヒットを受け緊急来日することが10日、発表された。

同作は、全員が失業中の一家とIT企業を経営する裕福な社長一家という相反する2つの家族が出会う物語。日本では公開5週目となるが、動員人数は100万人を越え、興行収入も15億年を突破している。

この日、米・ロサンゼルスで開催された第92回アカデミー賞では6部門にノミネートされ、作品賞、監督、脚本賞、国際長編映画賞の4部門を受賞した。同作は韓国語作品だが、アカデミー賞で英語以外の作品賞は史上初。アカデミー賞作品賞とカンヌ国際映画祭パルムドール賞のダブル受賞は、映画「マーティ」以来64年ぶりの快挙。アジア人監督の受賞はアン・リー監督以来2人目となった。

ポン・ジュノ監督は1969年9月14日生まれ。延世大学卒業後、映画の専門学校で学んだ。初長編は00年「ほえる犬は噛まない」。03年、実際の連続殺人事件をもとにした作品「殺人の追憶」が500万人動員のヒットを記録した。「グエムル-漢江の怪物-」「母なる証明」など、家族や社会問題を描いた作品群で知られる、優れた脚本と映像を両立させている。 かつては「韓国の黒沢明」「韓国のスピルバーグ」と呼ばれることもあったが、今では1つのジャンルとして確立している。9日にハリウッドで韓国メディアの取材に応じ、ソウルを舞台にした韓国語の作品と、16年にロンドンで起きた事件を題材にした英語の映画を準備しているとした。