新派俳優喜多村緑郎(51)と女優鈴木杏樹(50)との不倫が「週刊文春」で報じられたが、見出しで喜多村のことを「新派俳優」ではなく、「元歌舞伎俳優」となっていたことが波紋を呼んでいる。

喜多村はもともと、4代目市川段四郎に入門し、市川段治郎を名乗ったが、その後、3代目市川猿之助(現市川猿翁)の部屋子となり、スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」でタケルを演じるなど、「沢瀉屋」一門の期待の若手だった。

11年に市川月乃助を襲名したが、新派公演「日本橋」などに客演した縁もあって、16年に新派に正式移籍。新派は水谷八重子と波乃久里子の2大看板はいるが、男優のスターがいなかった。その中で、新派の大名跡である「喜多村緑郎」を襲名し、以降、中心となって活躍していた。

しかし、「文春」の報道では喜多村を「新派俳優」ではなく、「元歌舞伎俳優」という肩書になっていた。新派は130年の伝統ある劇団だが、近年は集客でも苦戦している。その中で、新派の中心俳優が、前歴の「歌舞伎俳優」とされたことに、関係者はショックを受けているという。

16日には新橋演舞場で横溝正史作品をもとにした「八つ墓村」が始まり、喜多村はロン毛がトレードマークの名探偵金田一耕助を演じる。今回の報道で知名度? が急上昇した喜多村が、再び「文春砲」に直撃された時、「新派俳優」として紹介されるのか。「役者」としても「夫」としても正念場を迎えている。【林尚之】