9日夜に開かれたアカデミー賞授賞式で助演男優賞を受賞したブラッド・ピット(56)だが、しばらくの間は俳優として新たな役を探すよりも、プロデューサー業に専念したいようだ。

2008年の「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」や2011年の「マネーボール」を含め、何度もアカデミー賞にノミネートされてきたピットだが、今年はついに初受賞を達成。今年の授賞レースで助演男優賞を総なめにしてきたが、最後は大成功で締めくくった。

米バラエティー紙によると、そんな大絶賛の渦中にいるピットが授賞式のバックステージでのインタビューで、「今はしばらくの間、表舞台から消え去り、映画作りに戻る時が来たと思っている」と意外な言葉を口にしたらしい。

一方で、「本当に特別な道のりだったし、30年以上かけて築いたコミュニティーと友人たちだ。彼らは僕にとって、本当に貴重なんだ。賞の受賞以上に、何よりも責任を感じている」と語ったという。

ピットは2001年に「プランBエンターテインメント」を設立。同プロダクションを通じ、数々の作品を送り出す中で、2012年に「ツリー・オブ・ライフ」がアカデミー賞作品賞の候補となった。

2014年には自らの製作指揮による「それでも夜は明ける」、2016年には「ムーンライト」が作品賞を受賞するなど、プロデューサーとしての手腕と実績を余すところなく証明し続けてきた。

昨年、GQ誌オーストラリア版のインタビューでも、カメラの裏側で仕事をすることを楽しんでいると明かし、「俳優としては若者にバトンタッチするのが自然だと思うようになった」と話すなど、引退をほのめかす発言をしていたピット。受賞をきっかけに、しばらくは思う存分、映画製作に没頭したいのかもしれない。(ニューヨーク=鹿目直子)