元テレビ朝日の竹内由恵アナウンサー(34)が、大手芸能事務所アミューズに所属することが20日、分かった。同学年の医師との結婚を機に19年末に同局を退社。家庭と仕事の両立の困難さから1度は家庭に入ることを選択したが、夫の後押しもあり仕事を再開。夫の勤務地でもある静岡を拠点に活動する。新たな1歩を踏み出す竹内アナが、その胸中を語った。

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鮮やかな黄色のブラウスに白のスカート姿。髪形も変わり、りんとしたたたずまいだったが、人なつっこそうな笑みは昔のままだった。「アミューズ所属になりました竹内由恵です」のあいさつが新鮮だった。

竹内アナは19年3月に同学年の男性医師と結婚。これを機に、当時出演していたテレビ朝日系「報道ステーション」を同年9月いっぱいで降板した。その際「結婚するにあたって、東京から離れて住むことになり、今の仕事との両立が難しく、新しい生活をスタートする道を選びました」とコメント。

その当時を「結婚するからには一緒に住みたいというのもあり、結果的に一緒に住むことを選びました。でも、その後の生活は何も想像できていなくて、新しい土地で仕事がない生活がどんなものかも分からなかった。とにかく落ち着いてから考えようといったん区切りをつけての選択でした」と振り返った。

愛する夫との生活だったが、心境の変化も起きた。「実際に落ち着いて考えてみると、やっぱり家庭を大切にしながら仕事をしていきたいなと」。そんな竹内の背中を押したのは夫だった。「旦那さんが、私が家で暇そうにしていたのを見て、『だったら仕事してみたらいいんじゃない』って」と笑う。「そのタイミングでアミューズさんからも提案があってお世話になることにしました」。

同局の後輩、宇賀なつみアナ(33)は昨年4月にフリーに転身した。後輩の退社は少なからず影響はあったという。「私がやめるちょっと前に宇賀ちゃんからご飯行きましょうと誘ってもらって。ざっくばらんに話しました」。宇賀アナを「自分をプロデュースする仕事選びを楽しみながらできる人」とし、「私は多分できないだろうと思ったので、アミューズさんに力を貸してもらおうと思いました」。

具体的な仕事はまだ決まっていない。だが「さまざまなことに挑戦していきたいです」と目を輝かせる。局アナ時代は求められる仕事をこなし、自分を出す必要はそれほどなかった。「でもこれからは、もっと素の部分も出していきたいです」。まずやりたいのはラジオだという。「テレ朝時代にやっていないのと、自分も聞くのが好きだったし、いろんな人とつながれる。話だけの不安はありますが、ラジオなら自分を出すこともできるかなと思います」。

とりあえずの目標は、仕事と家庭の両立だ。「結婚後に家庭を築きながら仕事をするのは、自分の人生を輝かせるのに大事なこと」とし、「微力ですけど、私がそういう生き方を提示することで、そんな社会が実現していけばいいなと思います」と力強くアピールした。

◆竹内由恵(たけうち・よしえ)1986年(昭61)1月20日、東京生まれ。06年ミス慶応に選出。08年4月テレビ朝日にアナウンサーとして入社。同年から「ミュージックステーション」サブ司会を担当。「やべっちFC~日本サッカー応援宣言~」「スーパーJチャンネル」などでリポーターやメインキャスターなど務めた。英語が堪能。趣味はコーヒー、音楽鑑賞。