フジテレビは23日に「日曜THEリアル!『居場所をください~限界密着…壊れていく子どもたち~』」(午後8時)を放送する。

育児放棄、虐待、いじめ、非行、10代での妊娠…などで「居場所」を失い、不登校、引きこもり、非行に走る子どもたちに、熱血先生たちが「居場所」を作って、24時間、全身全霊で向き合ってゆく姿を描くドキュメンタリー。

元少年院法務教官・武藤杜夫さん(41)は、居場所をなくしてしまった非行少女を一時的にシェルターで保護し、社会更生を手助けする活動をしている。交際相手のDV、母親の育児放棄、義父からレイプ…。武藤さんは「信頼できる大人が1人いるだけで、子どもは立ち直る」という信念のもと、日々、独自のパトロールを続けている。リストカットを繰り返す家出少女。幼少期に育児放棄され、10代から風俗で生計を立てる少女…。孤独と困難を抱えた沖縄の子どもたちに寄り添い続ける姿を追う。

武藤さん自身にも中学時代からの非行やストリートチルドレン同然の生活経験がある。しかし、独学により国家公務員試験に合格。府中刑務所の刑務官、沖縄少年院の法務教官を歴任し、スーパー公務員として将来を嘱望されたが、17年に幹部への昇任を固辞して辞職。「日本こどもみらい支援機構」代表として、講演料や寄付金など自主財源で支援活動を続けている。

「ピースフルハウスはぐれ雲」理事長・川又直さん(65)は、87年に共同生活寮「ピースフルハウスはぐれ雲」を開設した。以来30年以上、規則正しい合宿生活と農業を通じて、不登校や引きこもりの若者たちの自立支援に取り組んでいる。これまで31年間で430人が利用し、社会に送り出してきた。現在13歳~40代まで男女15人が共同生活している。寮生は相部屋で、子ども同士でもまれるうち、自己中心的な考えが改められ、人との程よい距離感をつかめるようになると言う。

中学1年から不登校となった少女は母親とも衝突し、家にも学校にも居場所がなくなり入寮。共同生活をしながら中学にも通いなおすことに。ある日、寮生とのトラブルがきっかけで脱走し、最後の居場所までも失う危機に。しかし、川又さんの対応は「子どもたちを信じ、黙って見守ること」だった。

MCをオードリー若林正恭(41)と女優松岡茉優(25)が務める。若林は「先生と子どもたち、子ども同士もそうなんですけど、じっくり向き合って話をしている姿が印象的でした。スマホやSNSなどが発展していく中で、会って話をして聞いてあげるということが、人間の心の健康にはすごく必要なんだな、ということを痛感しました。大人の方にもその余裕がないということがあって…。大人、親が『自己責任』という言葉で切り捨てられてしまうのはしんどいな、と思いました」。松岡は「今、まさに『居場所をください』と思っているお子さんも見てくれているんだろうな、と思って(スタジオで)話していました。今苦しんでいるお子さんがいたら、1人ということはないと思うから、こういう施設が全国にあるので、どこか頼れるところとライフラインをつないで、どうか生き続けてほしいと思います。この番組を見て、(社会と)関わってくれたらうれしいです」と話している。

パネリストとして教育評論家の尾木直樹氏、高橋英樹、高橋真麻、北斗晶が出演する。

企画したフジテレビ編成メディア推進部の佐竹正任氏は「居場所をなくした子どもたちを、熱血先生たちが時に熱く叱咤(しった)し、時に温かく包み込んで、社会を生き抜く力を与えていく。そんなドキュメンタリー特番として『居場所をください』は06年に立ち上がりました。当時暗い影を落としていた、校内暴力や非行などの社会問題に一石を投じる意欲的なシリーズとなりました。あれから14年、社会はより複雑な問題をはらんでいます。いじめ、スクールカースト、引きこもり、虐待、ネグレクト…大人になっても問題が引き続くケース、社会を震撼(しんかん)させる事件に発展するケースも増えてきました。全ての家族が、ふとしたきっかけで問題の渦中に陥る可能性を秘めた現代。だからこそ、再びこの『居場所をください』が強く求められていると考えました。取材を開始してみれば、子供たちの抱える問題の質はガラリと変わったものの、熱血先生たちと子供たちが日々もがきながら共に戦い成長していく姿は、時代は変わっても全く同じ輝きを放っていました。今回の放送でご紹介するいくつかの汗と涙の物語は、現代を生きる全ての家族にとって、必ずや生きるヒントになると確信しています」と話している。