中居正広(47)が21日、都内で会見を行い、3月いっぱいでジャニーズ事務所を退所し、独立することを発表した。

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本人に近い複数の関係者の話を総合すると、SMAP解散が起点となる今回の決断は、「リーダー中居正広」としての思いと人間性が強く反映されたものだということが見えてくる。

16年末にSMAPが解散、翌年9月に稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3人がジャニーズ事務所を退所した。中居も一緒に退所する選択肢もあったが、結果的にとどまる決断を下した。

それにはいくつかの理由があった。木村拓哉を残して4人で退所し、4対1という構図をつくることは、最後まで解散という形をとりたくなかった中居にとっては避けたかったからだという。関係者は「そして、それは再結成への道を絶つこととなり、これまで応援してくれたファンを絶望させたくないという思いが強かったからだ」と話した。今回、3人に合流しないという形での退所で、結果的に再結成の可能性を残せたことにもなる。

また、中居は複数のテレビ番組のMCを務めており、放送局などへの影響が大きく、混乱させないための責任感も1つの理由となった。別の関係者は「テレビの仕事を続けることによって、稲垣らが退所後、思うように仕事ができないような状況に直面した時、何らかのサポートをしたいという仲間への思いもあった」と説明した。

そして、もう1つの大きな理由が、昨年7月に87歳で死去した大恩人、ジャニー喜多川さんの存在だ。中居は解散を望んでいなかったジャニー氏に、リーダーとして申し訳ないという気持ちを強く抱いていたのだという。昨年6月にジャニー氏が緊急入院した際には、何度も見舞いのため病室を訪れた。この関係者は「ジャニー氏が亡くなったことによって、その思いも一区切りついたのだろう」と話す。

このタイミングでの退所について、知人らは「中居らしい」と口をそろえている。東京五輪開催期間にぶつかることで、自身が長年盛り上げてきたスポーツの祭典に水を差すことを避けたかったという思いがあるとみられている。また、秋以降に発表することも、年内活動休止が発表されている後輩の嵐に配慮した可能性が高い。今回の発表には「リーダー」としての気遣いが見え隠れしている。

※なぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀