マルチに活躍するセクシー女優紗倉まな（26）が26日、東京・音羽の講談社で、小説「春、死なん」の刊行記念記者会見に出席した。

小説として3作目となる同作は、純文学文芸誌「群像」に掲載。高橋源一郎、中江有里、磯崎憲一郎ら名だたる作家が絶賛する老人の性を扱った作品だ。書くきっかけは、アダルト業界のリリースイベントにあった。「60代から80代の方も来てくれるので、遠い存在ではなく親近感のある存在でした」とし、「五輪の余波でエロ本に規制がかかって、性欲や寂しさをどう補填しているのか興味があった」と語った。

20代の紗倉がかけ離れた年代の性を扱っているが、「自分の年代を扱うよりも書きやすかった」という。自身の体験も投影されており、「おざなりにされたり、適当に扱われてしまうことへの憤り、もどかしさは、年を重ねても変わらないと思う。主人公の富雄は結構私だったりするので、書きやすかったです」。

肩書に“作家”とつくことには抵抗がある。「恥ずかしいというか、違う気がしていて。書くことを専業にしている人の作品を読むとネガティブになることがない。プロだなって。私はエロ屋として長く続けられたらなと思います」と笑った。

3作目にして文体が変わった。「もってまわった言い方だったりがくどいと言われて、削りました」とし、「文体が変わったと言われても無意識なので、次も同じように書けるか不安。ゴーストライター説が出ない程度にしたいです」と会場を笑わせた。

今の世の中は、性表現をイメージさせるものに過剰反応する風潮がある。「卑猥（ひわい）に感じるかどうかは個々の価値観や感覚で変わるので、そこは全く否定的ではありません」。だが、エロ本規制には悲しさを訴えた。「自分を露出する1つのパブリック要素でもあるので、そこが規制されるにつれて自分が属するアダルト業界が萎縮していくのであれば、そこは考えて行かなくてはならない課題です」と業界全体の心配として語った。