女優松下奈緒(35)主演のフジテレビ系連続ドラマ「アライブ がん専門医のカルテ」(木曜午後10時)の第8話が27日、放送される。

松下が演じるのは、横浜みなと総合病院に勤務する腫瘍内科医のオンコロ先生こと恩田心。事故に遭って意識不明になった夫匠(中村俊介=44)は、関東医大中央病院で3カ月も闘ったが死亡。1人息子の蓮(桑名愛斗=8)を育てながら、関東医大中央病院から移籍してきた消化器外科医の梶山薫(木村佳乃=43)とがん診療のバディを組んで日々、奮闘している。

心の同僚の腫瘍内科医の光野守男を演じているのが、藤井隆(47)だ。「非常に穏やかで明るい現場です。撮影の合間は、(木村)佳乃さんたちとゲラゲラ笑いながらお話をしていて、それを松下(奈緒)さんが温かく見守ってくださっている感じです。スタッフのみなさんも優しい方が多くて。冬のドラマに出演すると、朝早い時には“眠たいな”とか“寒いな”と思ってしまいがちなんですけど、今回はあまりそういう思いはなく、楽しく現場に行くことができるので大変恵まれているなと思っています」と話している。

自身で放送を見た感想は「映像がすごくきれいだなと思いました。監督はもちろんですが、カメラマンさん、照明さんたち、技術部の方たちのお力ですよね。『アライブ』の撮影はめちゃくちゃ時間がかかるようなことはなく、撮影はテンポ良く進んでいるように感じています。にもかかわらず、心先生が深呼吸する場面もとてもきれいですね。映像だけではなく音楽もすてきです。私が出演する部分は、物事が解決する前や後の陰陽で言えば陽の場面が多いので、収録中はあまり気づかなかったのですが、本当に心先生たちの悲しみや苦しみなどを非常にきれいな映像として見ることができました。私も一視聴者として胸に迫るシーン、映像の美しさで救われるシーンもたくさんありました」と話している。

演じる光野について「もともと麻酔科だったのですが、子供が5人になって家庭を優先したいということを理由に、心先生の腫瘍内科のチームに入りました。年齢は心先生よりも光野の方が上ですが、なんとなく心先生を頼っている面がたくさんあります。物事の判断基準は先の理由から家族を優先するので“早く帰りたい”などと言うこともありますが、仕事自体は真面目に取り組んでいる人物だと思います。今回は医療ドラマなので、医療用語などは注意しています。でも、本当に現場が温かいので、NGを出すとクスクスぐらいな感じで。若い時でしたらスタッフさんも含めて大笑いしちゃうようなこともありましたが、引きずるようなことはなく『さぁ、チャッチャと行きましょう』という大人な雰囲気も心地よい現場です」と話している。

第8話では、心(松下)は、抗がん剤治療を受けないと言う高坂民代(高畑淳子)に理由を尋ねる。動けるうちにやりたいことをやっておきたいと答える民代は、心と薫(木村)の関係を心配していた。

心の夫匠の死につながった医療過誤は薫のミスではなく、薫の上司だった須藤(田辺誠一)によるものだったと明らかになっていた。それでも薫は横浜みなと総合病院を辞める気でいた。薫に会った心は、本当に辞めるつもりなのかと聞く。

そんな時、高校生の井上和樹(萩原利久)が入院してくる。和樹は幼い頃からがんで入退院を繰り返し、今回も大学入学を目前に控えての再発だった。心と一緒に和樹と会った研修医の夏樹奈海(岡崎紗絵)は医局で光野守男(藤井隆)に、かつて和樹が入院していた時の様子を聞く。光野は子供の頃の和樹は優しくて頑張っていたと教えるのだが。和樹もその家族たちも病気に疲弊していた。自分の弟もかつて入退院を繰り返していた経験がある奈海は和樹に寄り添おうとする。

一方、心は奈海や、同じ研修医の結城涼(清原翔)に、若い患者たちの気持ちを知ってもらおうと患者との交流会を開く。そこで、奈海と結城は患者や家族の本音を聞く。交流会の後、心は薫たちを自宅に誘う。恩田家に着くと、結城と奈海は京太郎(北大路欣也)と漣(桑名愛斗)が待つ室内に入るのだが、薫は躊躇(ちゅうちょ)してしまう。