作編曲家・音楽プロデューサーの菅野よう子氏(55)とサイバーエージェントの藤田晋社長が、エンターテインメント業界に大きな貢献をしたプロデューサーを顕彰する「第15回渡辺晋賞」を受賞し2日、都内で開かれた授賞式に出席した。

菅野氏は、ゲームやアニメ、CM、ドラマなどの映像作品など、さまざまな分野への楽曲提供で国内外で評価されている。東日本大震災プロジェクトとして「花は咲く」を作曲。また、昨年の「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」では、奉祝曲「Ray of Water」を手掛けた。同氏の音楽を通し作品に関わる1人1人を輝かせるプロデュース力とその情熱が評価された。

一方、藤田氏は、IT業界のビジネスプロデューサーであり、中でもエンターテインメント分野で「AbemaTV」など新分野を開拓。「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンに挑戦し続ける姿勢が評価された。

同賞は、故渡辺晋さんが創業した芸能事務所、渡辺プロダクションの創業50周年を機に、エンターテインメント界に大きく貢献したプロデューサーを顕彰する賞として2006年に創設された。式では、主催の一般財団法人渡辺音楽文化フォーラム・渡辺美佐理事長より、トロフィーと副賞100万円が授与された。

菅野氏は「ミュージシャンとしてアイドルのバックバンドや、ミュージカルのオケピット、ドラマの録音でピアノを弾いて、全て現場で、先輩のやっていることを見て覚えました。今はもういないレジェンドの仕事ぶりを実際に体験したことなど、細胞が覚えている豊かな音が、自分を作っていると思います」と語った。

また、藤田氏は「私は現在、AbemaTVを立ち上げている真っただ中で、このような賞を頂くのはまだ恐縮です」とし、「しかしながら、日本のエンターテインメント界のパイオニアであり、名前の漢字が同じで、ひそかに共感し憧れていた渡辺晋さんの名前が入ったこの賞がもらえることは、私にとってこの上ないよろこびであり励みになります。この賞に恥じぬよう、しっかりとAbemaTVを成功に導きたいと思います」と受賞の喜びを語った。