新型コロナウイルス感染拡大の影響が、芸能イベントも直撃している。1日20件以上ある日もあった芸能イベントの多くは延期や中止となり、かなり少ない日が続いている。そのような中で、マスコミ向けで開催された映画「一度も撃ってません」(阪本順治監督、4月24日公開)完成報告会は、ほっこりとするイベントだった。

当初は観客の前で舞台あいさつをする予定だったが、昨今の状況を鑑み上映は中止。メディア向けの会見として開催された。

同作は石橋蓮司(78)18年ぶりの主演作だが、共演陣も豪華。報告会には、大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、佐藤浩市、江口洋介、妻夫木聡、新崎人生、井上真央、渋川清彦、前田亜季、小野武彦、阪本順治監督とそうそうたるメンバーが一堂に会した。

これだけのメンバーが集まった理由を石橋は「監督や制作部が、石橋蓮司の遺作になるかもしれないからって言ってたんだな」と妙な納得をし、「撮影中は生前葬のような雰囲気でやらせていただきました。皆さん長い間、お世話になりました!」とジョークを飛ばして、取材陣や登壇者らを笑わせた。

「主演といってもちっとも大事にしてもらえない。2度とやりたくない」など、終始石橋節でまくし立てた。その真骨頂が、警察官から職務質問を受けたというエピソード。「撮影で使った拳銃を持ってないか不安になった」などと語ったが、石橋を知らなかった警察官を「俺って知らねえのかこのやろうと。児童劇団からやってんだぞと。ショックを受けました」と、さらに爆笑を誘った。

笑いには免疫力を上げる効果があるとも言われる。公開までに事態が良くなり、石橋節を生で体験し、大いに笑ってもらえる日が来ることを切に願います。【川田和博】