今年1月21日にくも膜下出血で倒れ、入院した作家伊集院静さん(70)が2月に退院していたことが12日、分かった。事務所が発表した。後遺症もなく、小説、エッセーの連載は順次再開する。手術を行った病院からリハビリ病院に転院し、リハビリ中だが、近くリハビリ病院も退院の予定。

この日、コメントを寄せ、「入院以来、皆さまに多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたが、その後、手術も無事成功し、施術をしていただいた病院の担当の先生、スタッフ、看護師の皆さんのご尽力で、先月、病院を退院いたしました」と報告。体力を戻すためのリハビリでは、毎日3キロ近い散歩を始めたという。

毎年、4月1日に新社会人に向けたメッセージを発表しているが、今回も「メッセージだけ執筆しました」と、「令和初の新社会人諸君、今君たちがそこに立っていることを偶然と思うな。偶然は神様の采配である。社会の水も風も、甘くないし厳しいぞ」と一部を紹介。「相変わらずの伊集院です」とつづった。

入院直後、病状を報告した妻の女優篠ひろ子(72)は「予断は許さない状況」「道半ばで書く事を断念せざるを得ないとしたら、こんなに悲しい事はありません」と悲痛なコメントを発表したが、献身的な看病もあって、奇跡的に回復した。新聞や雑誌で7本の連載を持つ伊集院さんは「連載は随時、再開の予定ですが、入院前よりは少しペースをゆっくりしようと思っています」とし、「入院中、多くの方々からお見舞い、メッセージをいただき、ありがたく思い、勇気づけられました」と感謝した。