今月31日の正式離脱へ向けて、いよいよ最後の公務を終えたヘンリー王子とメーガン妃夫妻。一流王室ジャーナリストが、「夫妻の王室離脱は、不必要で残酷なものだった。家族の1人、あるいは2人でも夫妻のために立ち上がる者があれば、状況は違っていたかもしれない」と話していることがわかった。

米ファッション誌ハーパーズ・バザー誌の王室ジャーナリストで、夫妻と親交のあるオミド・スコビー氏はニューヨーク・ポスト紙に、夫妻が執務室のスタッフを解雇せざるを得なかったことや、ヘンリー王子が、10年におよぶ輝かしいキャリアを築いた英軍隊での全職務を失うことも、非常に大きな痛手だったと明かした。王子は英空軍の名誉航空司令官や、英海兵隊の最高指揮官である海兵隊元帥などの名誉職に就いているが、これら全てを失うことになる。

同氏は王室メンバーとしての最後の日々について、「夫妻が“打ちひしがれている”という言葉では、とても足りない。夫妻は今でも、“不必要な決断だったが、英メディアの憎悪に満ちた執拗な攻撃に対し、王室側のサポートが欠如していたことを考えればやむを得なかった”と感じている」と語った。

また、離脱後も王室と民間の両方で、いいとこ取りを狙っているとのメディアの批判に対し、「現実は違います。夫妻は不可能な状況から自分たちを守るために、自分たちで変化をつくり出すしか選択がなかった。何かを変える必要があるが、女王に対するサポートをやめたくなかった」と説明した。

数日間にわたり、ヘンリー王子夫妻の最後の公務に同行したという同氏は、「メーガンと別れの抱擁を交わした時、彼女は最後の公務を終え、一気に悲しみがこみあげていたようです。写真に写っている笑顔の陰で、夫妻の心は打ちのめされたままでした」と語った。夫妻に近い関係者は同氏に、「ハリーの心の傷が癒えるには時間がかかるだろう。メーガンも心を痛めている」と話したという。

同氏によると、夫妻の今後のビジネスについてはさまざまな憶測が流れる中、チャリティー活動を軸に、さまざまな問題に関する世界中の若者たちの声を世に送り出すための支援を続けるという。

さらに、「場所は違っても、夫妻の優先事項は以前と変わりません。家族を守ること、息子のアーチーを守ることが最も大事なことであり、夫妻の今の苦しみを価値あるものにするのです」としている。(ニューヨーク=鹿目直子)