20年間にわたり、ロイヤルファミリーの写真を撮り続けた王室写真家のジェイン・フィンチャー氏が、ダイアナ元妃が生きていたら、現在の王室の状況に心を痛めるだろうとニューヨーク・ポスト紙に語った。

1980年、チャールズ皇太子と交際のうわさが流れた当初から、ダイアナ元妃を撮影し始めていた同氏は、1998年、ダイアナ元妃の素顔や秘蔵フィルムを集めた写真集「DIANAーありし日の肖像」を出版。その後も、ロイヤルファミリーはもとより、ウィリアム王子とヘンリー王子兄弟の成長記録をカメラに収め続けた。

かつてロイヤルファミリーと親しかった同氏は、王子兄弟の不仲が取りざたされる現在の状況について、「ダイアナ妃が生きていたら、心痛するでしょう。兄弟は多くのことをともに乗り越えてきたのですから」と語った。

さらに、「彼女は全力を尽くして、問題を解決しようとするでしょう。仲裁者となり、“一体、どうなっているの?”と言いながら、兄弟の頭を揺すったことでしょう。2人のお妃(きさき)たちも、仲直りさせようとしたでしょうね」と話した。

チャールズ皇太子についても、「チャールズは兄弟と非常に仲が良かったので、心を痛めているはず。兄弟の不仲に打ちひしがれていると思います」と胸中を察した。

少年時代は、何をするにも一緒だったという王子兄弟については、「普通の少年たちでした。片時もじっとしていないほど、元気いっぱいで、見ていて面白かった」と、昔を振り返った。

兄弟は当時から性格が全く違っていたようで、弟のヘンリー王子は自信満々で、兄のウィリアム王子は自信のない子供だったという。「ハリーはメディアやフォトグラファーにも動じず、ウィリアムは母親のダイアナ元妃と同様、恥ずかしがりで、メディアが苦手でした」と振り返った。

昨年秋、英国で放送されたヘンリー王子夫妻のドキュメンタリーを見たという同氏は、「泣きそうになりました。彼は本当に大変なのだと思うと、かわいそうになりました」と深い同情を示している。(ニューヨーク=鹿目直子)