作家乙武洋匡氏(43)が、東京都の小池百合子知事が週末の不要不急の外出自粛を要請したことで「ネット上では、自粛しなかった者にリンチを加える“自警団”まで現れる」ことを危惧(きぐ)するとともに、自粛で生じた損害への補償など対策が講じられていないことを批判した。

乙武氏は26日、ツイッターを更新。前夜に行われた小池都知事の会見を受け、「同調圧力の強い日本では『要請』が『強制』となる。ネット上では、自粛しなかった者にリンチを加える“自警団”まで現れる」と推測し、「だけど自警団のみなさん、向けるべき矛先は自分の生活をなんとか守ろうともがいている生活者ではなく、なかなか『補償』というカードを切ろうとしない政治なのではないですか?」と問い掛けた。

小池都知事が外出自粛を要請した一方、補償に関して言及しなかったことについて、ネット上でも批判の声が噴出している。ジャーナリストの江川紹子氏は「東京都知事の会見。そこまで危機なら『自粛』を『要請』するだけでなく、たとえば繁華街の飲食店や商店に一定の休業補償を示して休業を求めるとか、『漫然と開いているより、閉じた方が損失は少ないかも』と思わせる、具体的な施策が必要なのでは?」と疑問を呈した。

ウーマンラッシュアワーの村本大輔は「自粛させたいなら保証の話からしましょうよ。仕事ない時は家賃や生活費、税金払えなくなる。店がつぶれて自殺したらそれはコロナではなく政治が人を殺したってことね。コロナと政治、どっちが人を殺すのか」(原文ママ)とツイート。共産党の志位和夫委員長は「行動自粛を要請するならば、それに伴う損失については国と自治体で責任をもって補償するという強いメッセージを併せて出すべきだ。そうしてこそ初めて、自粛要請が実効性をもつ」とした。