企業に雇われた特殊能力者“NEXT”がスポンサーロゴを背負って悪と戦い、大都市シュテルンビルトの平和を守る異色のヒーローものとして、11年に社会現象的な人気を呼んだテレビアニメ「TIGER&BUNNY」の続編「TIGER&BUNNY2」が22年からスタートすることが決まった。3日、新ビジュアルが公開された。

「TIGER&BUNNY」は、11年4月から9月まで全25話がテレビ放送され、12年9月に映画第1弾「劇場版TIGER&BUNNY-The Beginning-」、14年2月には第2弾「劇場版TIGER&BUNNY-The Rising-」が公開された。「TIGER&BUNNY2」はテレビアニメ、映画2作と全シリーズに携わってきた、シリーズ構成の西田征史氏とキャラクターデザイン・ヒーローデザインを務めた漫画家の桂正和氏が再びタッグを組んだ。そして新たに加瀬充子監督を迎え「劇場版TIGER&BUNNY-The Rising-」の後の世界を描く完全新作となる。

今回、公開された新ビジュアルは、桂氏が描いた主人公のワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹(声=平田広明)とバーナビー・ブルックスJr.(声=森田成一)が、ロゴを挟んで向かい合う姿が描かれた。

西田氏は19年3月29日にFm yokohamaで放送された、DJを務めた「ためになるラジオ」(金曜午後10時)最終回で「TIGER&BUNNY」続編の脚本、シリーズ構成を担当していることを明らかにしていた。制作自体は18年1月に始動することが発表されていた。同氏は脚本について「自分としては、とても面白く書けているんじゃないかなと思っています」と説明した。

その上で「本当言うと、実は元々、4、5年近く前に1度2期の話し合いが始まっていて、会議は進めていたんですね。その時に全25話の構想を1度、作ったんですけど、でも諸事情でいったんストップということになって、今、再度、動きだして、ここまで来ているんですけど」と続編の企画が動いたものの1度、頓挫していたことを明らかにした。そして「その間に時代も変わっていますし、僕自身の感覚も変わっているので、その時に考えた構想とは、まるで違う物語です。0から考え直しました。でもね、今のこの形の方が面白いなと思っていますし、多くの方の期待を裏切らない物語になっているんじゃないかなと思っています」と、1度考えた全25話の構成を白紙にして作り直したことを明かした。

「TIGER&BUNNY」は、鏑木・T・虎徹とバーナビー・ブルックスJr.のコンビが活躍するバディ・ヒーローものだが、2人らNEXTたちの背負う苦悩や、人間の感情を深く描く設定が受けて、イベントに数万人単位でファンが集まるなど、アニメの枠を超えた社会現象的な人気を集めた。「劇場版TIGER&BUNNY-The Rising-」では、能力減退でヒーローを引退した虎徹が2部リーグで復帰した一方、バーナビーの相棒は虎徹ではなく、新ヒーローのゴールデンライアンと組んだことが話題となった。「TIGER&BUNNY2」放送前年の21年は、テレビ放送から10周年となる。21年からの10周年イヤーにも、さまざまな企画が期待できそうだ。