新型コロナウイルスの感染拡大により、テレビのニュースやワイドショーなどの情報番組は、コロナ一色となっている。その番組のよしあしについては、SNS上などで、さまざまな議論が繰り広げられているが、放送倫理・番組向上機構(BPO)にも、視聴者からの意見が多数寄せられている。同機構のHPでは、そんな意見を公開している。

同HPによると、3月にメール・電話・ファクス・郵便でBPOに寄せられた意見は1766件で、先月から302件増加した。中でも、新型コロナウイルスについて報じた番組に対する意見が多かったという。

例えば「トイレットペーパーなどの品不足を放送するも、デマや在庫は潤沢とコメントもされるが、流れる画像は、大型店などにおける空っぽの棚ばかりが強調されている」などと指摘。視聴者に飛び込んでくる印象は、言葉より画像の方がはるかに強烈に残るので、かえって品不足をあおっているのではないかという主張だ。

メディアが無責任に不安をあおり続けているという意見も多い。「全国一斉休校要請以前は、対応が遅い、小出しで緩いと批判していたが、休校要請が出た途端、唐突で影響が大きすぎると批判している」という。政権批判の度合いが強い番組への批判のようだ。

また、ワイドショーなどのコメンテーターへの批判もある。「医学や法律などの専門知識がないタレントに、安易にコメントさせるべきではない。間違った情報が拡散されており、危険に感じる」などとしている。

未曽有の見えないウイルスへの危機感から、視聴者もより報道内容に敏感になっているようだ。