作家の村上春樹氏(71)が、22日にTOKYO FMで放送された緊急特番「村上RADIO ステイホームスペシャル~明るいあしたを迎えるための音楽~」で「モヤモヤとたまっている、コロナ関連の憂鬱(ゆううつ)な気分を、音楽の力で吹き飛ばしたいですね」と呼び掛けた。

今回の緊急特番は、外出などの自粛要請が続く中、厳しい状況やつらい気持ちを、音楽の力で少しでも吹き飛ばせたら…という強い思いから、村上氏が番組スタッフへ声がけして企画が立ち上がったという。収録は同局のスタジオではなく、村上氏の自宅書斎で行った

村上氏は全国のリスナーから寄せられた「いま、村上さんと語りたいこと」「村上春樹さんと考えたいこと」というメッセージを紹介した。その中で、コロナ禍で外出自粛が続く中の、自身の身辺の変化について「僕は万年筆と鉛筆を使って書くようになった。20年、使っていない万年筆にインクを足して書くと気分がいい。詩を書いています。字って、こう書くんだと」と語った。

また、ツイッターが普及した現代について「最近の世の中は白黒をつけがちなんだけれど、僕はそういうのが嫌い」と断言。「生き惑うのが人間だし、そこを、思いやりを持って癒やすのが音楽、小説の役目」とも語った。

村上氏は、4日に政府が緊急事態宣言の延長を発表した直後、番組スタッフに、「こんな厳しい時節だから、もし出来れば“明日を明るく迎えるための歌”を集めた番組が出来ればと思うんだけど」と連絡を入れ、選曲案も送ったという。そのことが今回の特番の放送につながった。

番組では、村上氏が自宅で所蔵する膨大なレコードコレクションの中から“明日を明るく迎えるための音楽”を、えりすぐってオンエアした。