作家の村上春樹氏(71)が、22日にTOKYO FMで放送された緊急特番「村上RADIO ステイホームスペシャル~明るいあしたを迎えるための音楽~」で、新型コロナウイルスの感染拡大が、自身の創作活動に影響を与えるか否かについて「何かの影響を受けないことはあり得ないだろう。こういう空気を吸って、吐いている限り」と語った。その上で、自身の作品に何らかの形で反映されるだろうとも語った。

村上氏は、リスナーから、95年の阪神淡路大震災後の00年に「神の子どもたちはみな踊る」を書いたことを引き合いに「今度も私たちにために何か書いてください」とリクエストを受けた。同氏は、95年3月の地下鉄サリン事件後に被害者やその関係者に行ったインタビューをまとめた97年「アンダーグラウンド」を書いた。そのことを例に「何か大きな事件が起こった時、小説家には幾つかの取り組みがあるかと思う。直接の題材として書くのは大きな仕事。僕は、違う形に置き換えていくことに興味を引かれる。移動、転換作業に小説の特性が発揮されると思う」と語った。その上で「今回の状況が、これからの僕の作品に、どう反映されるかは分からない。結果が出るまでには時間画家あるかもしれない」とも語った。