歌舞伎俳優の松本幸四郎(47)によるオンライントーク企画「歌舞伎家話(やわ)」(29日午後8時開始予定)の合同取材会が24日、オンラインで行われた。オンライン会見は演劇界でも初めてで、ゲストの尾上松也(35)も出席した。

3月から舞台出演のない幸四郎は「次の舞台が決まっておらず、次の準備をすることがない生活は初めての経験。早く舞台に立ちたい気持ちはあるけれど、今できることを考えていきたい」。ミュージカルの稽古中だった松也も予定したすべての公演が中止となった。「こういう状況を受け入れつつ、何かできることがないかを考えてきた。いくつかチャリティーに参加して、喜んでもらった。そういう中で、このオンライントークが実現してありがたいです」。

3カ月も続く長い「休暇」に幸四郎は「パン焼き器が売れたり、紙粘土がはやっているそうですが、私もすべてやってみました。舞台という存在が自分にとって、どんなものかを実感した」と言えば、松也も「ネット通販でものを買うことが増えたし、料理をしたり、普段しないことをやっています。家でゆっくりした時間を過ごす中で、日々の仕事が自分の糧になっていたことを痛感した。体力を使っていないので、食事のバランスにも気を付けています」。

今回のオンライン取材会に「全部アップだし、面白いですよね」という幸四郎は、オンラインを使った新しい演劇の可能性について「可能性はあると思う。映像としての歌舞伎が存在しないかを考えているので、歌舞伎演出のドラマができないかも考えたりしています」。松也も「劇場において映像に特化する形もあるかもしれない。大変な状況の中で、生活の余裕ができて、余白を楽しんでもらうのが娯楽だと思う」と話した。

「歌舞伎家話」は1000円のチケット制で、イープラスで発売中。発売開始3日目で1000枚を超えたという。