文化放送が、6月7日深夜1時半から特別番組「文化放送 花火大会~打ち上げ花火、下から聴くか?横から聴くか?いやいや!上からの音、中の音だって聴けちゃうスペシャル~」を放送することが28日、分かった。

番組は、文化放送の音声技術スタッフが3Dオーディオ技術を駆使して作り上げる、ASMR特番の第4弾。音声が耳に伝わってくる位置を細部にわたってこだわり、まるで側にいるような感覚が味わえるよう演出、編集する。関係者によると、同局が収録した過去の花火大会の音声、購入した音源に加え、スタッフが作成した音を組み合わせて作成。花火大会会場で聞く花火の音だけでなく、2時間の放送時間の随所で、花火の上や横、さらに打ち上がった花火の中にいるかのような感覚が味わえる演出も行う。2時間の中で音楽も流すが、花火大会の最中にスピーカーから流れたような雰囲気の音作りにもこだわるという。

今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、隅田川花火大会(東京)をはじめ、全国各地で花火大会の中止が相次いでいる。文化放送は、そうした状況の中でも、多くの人々に「上を向き、前向きな気持ちになってもらいたい」という思いに加え、1732年(享保17)に流行したコレラと大飢餓の慰霊と悪病退散を祈願する目的で実施された「水神祭」が、花火大会のルーツと言われていることから“音の花火大会”の開催を決めた。

文化放送は、ノルウェーのテレビ局が放送した薪の特集番組が、12時間の放送中8時間が薪が燃えるだけの映像だったにも関わらず、視聴率20%を記録したことに着目。19年12月7日深夜に「たき火特番~ノルウェーのテレビ局が薪が燃えているだけの映像で高視聴率を獲得したので、たき火の音だけを流すラジオをやってみた~」を放送した。 同特番が話題を呼んだことから、今年2月16日深夜に、今度はたき火に芋煮の音を加えた第2弾「たき火特番~意外にも好評だったので第2弾やってみた。今回は最後の方に少しだけ芋煮の音も入れてみた。本当はマシュマロにしたかったけど音にならないので芋煮にしてみた件~」を放送した。

両番組がツイッターでトレンドワードになるなど反響が大きかったことを受けて、4月19日深夜にはチャーハンを炒める音を高音質で流し続けた「チャーハン特番~チャーハンが鍋の上でパラパラ舞うその姿は美しい。まるで桜の花びらが踊っているよう。本当の春がくることを願ってSP~」を放送。実際に街の中華店で録音した、中華鍋を豪快に振ってチャーハンを作る音やギョーザを焼く音などを2時間、流し続けた。深夜に空腹を直撃し続けた、斬新な放送が再び話題となり「チャーハン特番」もツイッターのトレンドワードになった。

放送が10日後に迫った28日現在“音の花火大会”の2時間のうち、1時間分の音声が出来ているという。関係者は「作成中なので『何千発の花火』みたいなことは、まだ言えませんが、尺玉も登場するでしょう」と見通しを明かした。

お目当てだった花火大会が中止となって、途方にくれているカップルは“音の花火大会”を聞き、例年と違う花火の楽しみ方を味わってみては、いかが?【村上幸将】