シンガー・ソングライターの谷村新司(71)のポジティブシンキングに、勇気をもらった。

コロナ禍で著名人に明るく前向きに過ごすためのメッセージを寄せてもらう連載「明日のために」の取材で、このほどオンラインインタビューを行った。インタビューの中では、谷村の口から何度も「ポジティブ」というワードが出てきた。「もともと僕は、置かれた状況に対して何が出来るかと、ポジティブに捉えていくタイプ」といい「いろいろ動けていない今は辛い状況ですが、動きだした時に何が出来るか? 今だから勉強できることもあると思います」と呼びかけた。

その源流について尋ねると、アリス時代にさかのぼった。30歳くらいのころ。全国を飛び回り、プライベートの時間もどんどん減る中で、「全国でたくさんの人が待っていてくれると思ったら、頑張る要素になった。何かに悔やんで過ごしても1日、切り替えて過ごすのも1日。いい方に1日を使いたいと思ったのがきっかけです」。

体調を崩した時期にも「今、この瞬間にできることをやっていこう」と思えたといい、さまざまな経験をしてきた谷村ならではの言葉に、何度もうなずいた。

自粛生活が続いた中で「Be positive」という言葉もさかんに言われたように、コロナ禍での心の持ちようも問われているが「心までウイルスに侵されないようにしたいですよね」と話す。

読者の皆さんにも改めて、谷村の声を届けたいと思う。

「起きていくことには何か理由があると思っています。これまでも日本では天災やいろいろな困難を、日本人ならではの知恵で乗り越えてきました。だからこの状況も乗り越えられます。明けない夜はないですから」。【大友陽平】