英王室を離脱したヘンリー王子の妻メーガン妃(38)が3日、母校のバーチャル卒業式に参加し、黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警察に殺害されたことを受けて全米で広がる抗議行動について、思いを語った。

黒人の母と白人の父を持つメーガン妃は、ロサンゼルスにあるカトリック系私立女子高イマキュレート・ハート校の卒業生たちに向けてビデオメッセージを寄せて「この数週間、私たちの国、州、故郷ロサンゼルスで起きていることは本当に悲劇です。皆さんに何を伝えていいのか分かりませんでした。正しいことを伝えたいと思っていました。正しいことを伝えられるのか、言ったことがバッシングされるのではないかと不安でした」と複雑な心境を明かした。その上で、フロイドさんをはじめとする警察官によって殺害された人たちの名前をあげ、「大切な命です」と語りかけた。

さらに、「夜間外出禁止令が出され、急いで家に帰ったことを覚えています。その道中に煙の臭いがして、灰が空から降り、燃えている建物から荷物を抱えた略奪者たちが逃げ出す姿を見ました。その記憶は消えることはありません。皆さんにふさわしい世界にすることができなくて申し訳なく思っています」と言及。自身が10代の時に体験した1992年のロサンゼルス暴動について語り、28年後に再び同じことが起き、今まさに自分と同じ経験をしている卒業生たちの気持ちに寄り添った。

最後は、自分と違う境遇の人たちに対しても共感し、多様性を尊重することの大切さを訴え、「これからの活躍を楽しみにしています」と呼びかけた。

(ロサンゼルス=千歳香奈子)