歌舞伎の2代目中村錦之助(60)の長女で、中村隼人(26)の姉のモデル千晴子(28)が、この6月から女優、タレント業を始めた。6歳の長女の小学校入学を機に本格的に始動。このほど、日刊スポーツの取材に応じ、「お芝居はもちろん、バラエティーで体を張ることにも挑戦したい」と話した。

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千晴子は高校入学と同時に芸能界入り。モデルとして着物雑誌などの表紙を飾った。高3の10年にはNHKの連続ドラマ「とめはねっ!鈴里高校書道部」で女優デビューした梨園(りえん)の「萬屋(よろずや)の姫」だ。萬屋は3代目中村歌六の妻の実家が芝居茶屋「萬屋」だったことから、71年に初代中村錦之助(萬屋錦之介)らが播磨屋から独立して名乗りはじめた。

その萬屋錦之介、2代目中村吉右衛門、18代目中村勘三郎、2代目中村獅童、6代目中村勘九郎など歌舞伎以外の映画、ドラマでも活躍した華麗なる係累を持つ。「2歳年下の隼人とは日本舞踊とか長唄のお稽古事は一緒にしていました。でも、嫉妬することはありませんでした。女優よりも『JJ』『美人百科』『ViVi』のモデルに憧れてたから」。

身長163センチのスレンダー美人。時代劇女優への期待もあったが、20歳で結婚。仕事を休んで長女を出産してからは、できる範囲でモデル業をこなしてきた。4年前に離婚し、娘優先の生活を貫いてきたが「4月に娘が小学校に入学。私も子離れをして仕事を本格的にやっていこうと。コロナの影響で、始まらなかった小学校も今月になって通えるようになりました」。

「着物には自信があります」と女優業に意欲を見せ、「バラエティーにも挑戦してみたい。体を張ることでも何でもやってみたい」。子供の頃から父の2代目錦之助と親しんだダイビングは「30メートルまで潜れる免許を持っています。お仕事でパラオの海とかをリポートできたらいいですね」。

留守番役となる長女には、祖父がついている。「幼稚園に入った時から『スカートしかはきたくない』というおしゃまさんなんですが、父がデレデレ。実家まで歩いて3分で、自粛で歌舞伎がなくなったら『預かります』と、すぐ電話が来ました」と笑う。

萬屋の姫が、新たなスタートを切る。【小谷野俊哉】

◆千晴子(ちはるこ)1992年(平4)2月28日、東京生まれ。父は2代目中村錦之助、弟は中村隼人。97年モデルデビュー。雑誌「和婚」やユミカツラグランドコレクションなどで活躍。特技は日本舞踊、長唄、三味線。茶道、スキューバダイビングの免許を持つ。163センチ、79-58-82センチ。山本文郎事務所所属。