乃木坂46の吉田綾乃クリスティー(24)らが出演する映画「三大怪獣グルメ」の舞台あいさつが今月8日、東京・渋谷のユーロスペースで行われた。先月29日から公開予定だったが、新型コロナウイルスの影響で一度は延期となり、今月6日から公開に踏み切った。

舞台あいさつには、吉田や、主演の植田圭輔(30)に加え、河崎実監督も登壇した。3人は、新型コロナウイルス感染防止のため、顔に透明なカバーを付けて、それぞれ約2メートルの間隔をあけて登壇した。客席も、メディア関係者も、隣の席を空けて座った。

公開延期が決まった当時を振り返り、吉田は「(この状態では)公開延期になるよな」と納得しつつ、「最悪このまま公開もされないで終わっちゃうのかな、っていう不安もありました」と明かした。「こうやって無事公開することができて、見に来てくださる方もいて、うれしいです」と笑顔を見せた。

河崎監督は「ちっちゃい映画なんで、公開しないと僕ら、死んじゃうんですよ」と笑った。おどけた雰囲気ではあったが、言葉は本音だった。

イベント終盤には、写真撮影が行われた。あるメディア関係者が、「写真撮影の時だけでもいいので、カバーを外してもらうことはできないでしょうか」と質問した。河崎監督は「ごめんなさい、できないんですよ。安全のために。たたかれちゃうので…」と返答していた。

通常の半分しか座れないため、必然的に動員数も下がるが、今月13日からは同所での上演回数が増えるという。依然として厳しい状態が続くが、新たな施策を試すなど、試行錯誤しながら対応している状態だ。

音楽関係者によると、多数のグループが夏以降、ドームやスタジアムクラスの会場でのコンサート開催を模索しているという。既に秋以降のライブ開催を発表しているアーティストもいるが、新型コロナウイルス感染の「第2波」「第3波」がいつ襲ってくるかも分からない状態では、現時点でどちらに転ぶかも分からないだろう。

舞台公演も同様だ。依然として多数の作品が公演中止、延期となっている。出演者はもちろん、関係者たちにとっても厳しい状態が続いている。

たとえ東京都の休業要請が全面解除されても、大人数が参加する公演などが全面的に開催できるとは限らないし、数万人が集まる大型コンサートとなればさらに慎重な判断が必要になる。「たたかれる」基準もあいまいだし、二の足を踏んでしまう関係者も少なくないだろう。

エンターテインメント業界では、まだまだ多くの人々がコロナ禍に苦しんでいる。