石橋蓮司(78)が3日、都内で行われた主演映画「一度も撃ってません」(阪本順治監督)公開記念トークショーに出席した。

「一度も-」は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、3月9日に無観客完成披露報告会が行われた後、4月24日の公開が延期となっていた。石橋は「ここまで来るのに長い時間がかかりました。ソーシャルディスタンスという、こういう状況の中で劇場に足を運んでくださるお客さんがいると聞き、頭が下がる。そういう方々と映画館を通して“3密”の関係になれたら。嫌な方は、言っていただければ…そういう映画には慣れていると思うけれど。現場で気を付けながら、ぜひいらしてください」と感慨深げに語った。

この日は“電話お祝いコメント”と題し、桃井かおり(69)、大楠道代(74)、岸部一徳(73)、柄本佑(33)、佐藤浩市(59)が生電話でトークに参加した。桃井は米ロサンゼルスから、現地時間2日深夜0時に電話をかけてきた。「蓮司には、ただ、ただお願い…長生きしてね。本当よ。1番、長生きしてもらうしかないのよ。蓮司に長生きしてもらわないと、誰が長生きするの?」と石橋にエールを送った。

「一度も-」は、阪本監督が11年に亡くなった原田芳雄さんを主演に起用し、遺作となった同年の「大鹿村騒動記」の出演者たちが、七回忌の際に原田さんの自宅に集まり、語り合う中で、桃井が「蓮司の主演で映画を撮ろうと」言ったことで企画が始まったという。

石橋は「桃井かおりが話すのは、全部、冗談。冗談から本気になる逆転女優。芳雄に喜んでもらって、くらいの話で、製作費がつく話ではないと思った」と振り返った。その上で「今回の映画は、影の製作者は原田芳雄だと思っている。(出演した)メンバーも芳雄の家でくつろぎ、激論を交わした人間もいる。撮影しながらも、芳雄の影を背負いながらやっていた」と振り返った。