昨年12月に悪性リンパ腫で入院し、4月30日に退院した元フジテレビのフリーアナウンサー笠井信輔(57)が9日、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜午前5時)にゲスト出演した。

リモートでパーソナリティーの生島ヒロシ(69)と対談した笠井アナは、フジテレビ系の情報番組「とくダネ!」で長く共演した、同番組の小倉智昭キャスター(73)について「本当に感謝している。だから小倉さん所属の事務所に所属した」と話した。

生島は88年にフジテレビを退職してフリーになり、93年にスキルス胃がんで亡くなった逸見政孝さん(享年48)の名前をあげて「絶好調の時にがんになった。逸見さんの自宅で棺の中で、すごく悔しそうな顔をしていた」と振り返った。

笠井アナは「逸見さんのことは、いつも考えていた。フジテレビでフリーになってがんになった。私とじゃ比べものにならないけど、帰ってこれないんじゃないかと考えてしまった」と話した。

そして「逸見さんが(がんになっても)最後まで働いたのは、どこか爪痕を残したかったんじゃないかと思う。僕が入院を遅らせたのは、人々の記憶に残してから入院したかったから。体全体が痛かったけど、テレビに出続けないと消えちゃうと、入院を先延ばしにした」。笠井アナはフジテレビを退社して、昨年10月にフリーになった直後にがんが判明したが、昨年12月に入院を発表するまで仕事を続けていた。

闘病中は死を意識することもあったという。「絶対に負けるものかという思いも、もういいかと思う瞬間もあった。子どもの頃からしゃべる仕事をやりたくて100点に近い人生、これでよしとしなきゃと思うこともあった。(自分を)納得させようとした時もあった。でも、これじゃいけないと思いました」と振り返った。

現在は、毎朝4キロ以上の散歩をしている。「体力を戻すには、とにかく歩かなきゃ。4カ月半、ずっと病院にいたので、日差しを浴びながら歩けるのは本当に幸せ」。生島が「神様が生かしてくれたんだ」と言うと、笠井アナは「その言葉がありがたい。今後は通常営業に戻していきたい。フリーになって、結構売れっ子で仕事をいっぱいもらったんですが、キャンセルになっちゃったから」と笑った。

これからの仕事について「がんになったことを、うまい形で仕事に生かしていきたい。がん患者のボランティアとかお手伝いができれば。弱い立場の方のためになる仕事ができれば」。生島は「2人に1人近くが、がんになる時代。がんサバイバーの方が多くいるので、経験を世の中に発信していってください。お互いに頑張りましょう」とエールを送った。