近藤芳正(58)が11日、東京・新宿K’sシネマで行われた映画「河童の女」(辻野正樹監督)初日舞台あいさつで、壇上から観客に若手中心の俳優陣のサポートを呼びかけた。

近藤は劇中で青野竜平(31)演じる主人公の父親を演じた。冒頭で「1人だけキャリアのあるベテラン俳優と言われますが、ただのおじさん俳優なのですが、1人だけオーディションを受けずに今回参加させて頂きました」と、ただ1人、キャスティングで起用されたと語った。その上で「今日、ここで初日を迎える前に、ここに立っている俳優たちは本当に一生懸命この作品の宣伝をしてきました。毎週、宣伝会議を重ね、どうやったらこの映画が多くのお客様に届けられるのか、真剣に議論して実施していました」と、俳優陣が作品を広げようと頭をひねり、苦労した舞台裏を明かした。その上で「どうか、この若い才能のある俳優たちを今後もサポートしてあげてください」と呼び掛けた。

「河童の女」は、川辺の民宿で生まれ、そこで働きながら暮らす柴田浩二(青野)が、父親(近藤)が見知らぬ女と出て行った後、東京から家出してきた女が住み込みで働き交流する中で事件やトラブルが相次ぐ物語。

18年に興行収入31億円超を記録して社会現象的な大ヒットとなった、上田慎一郎監督の「カメラを止めるな!」を製作した、ENBUゼミナール「シネマプロジェクト」の最新第9弾。「カメ止め」をプロデュースした、市橋浩治代表(56)がプロデューサーを務めた。

脚本も担当した辻野監督は、51歳で長編映画監督デビューを果たした。また青野と、東京から家出してきたという女を演じた郷田明希(29)も初めて主演の大役を務めあげた。青野は「初日(に撮影現場に)入った時に市橋さんが『大丈夫か!』って。初日が永遠に続くのかと思い、撮影、終わるのかなと思いました。その後、郷田さんとのシーンが始まって、その辺から落ち着いて演じられました」と振り返った。郷田は「最初、私は主演だと思っていなくて、青野さんだけだと思っていたので、撮影の前にスタッフの方から『郷田さんも主演だよ!』って言われ、そうなんだ! と思って、一気に緊張したのを覚えています」と振り返った。

この日は近藤と青野、郷田のほか斎藤陸(29)瑚海みどり(47)和田瑠子(40)中野マサアキ(42)家田三成(38)山本圭祐(29)大鳳滉(24)三森麻美(33)火野蜂三(42)山中雄輔(33)も登壇。新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受けて、ソーシャルディスタンスを保ちながら3グループずつに分けて登壇した。感染予防対策として、全員が映画オリジナルの「河童マスク」を着用し、公開初日初回と2回目の来場者から先着80人に、スタッフ&キャストと同じ河童マスクを無料でプレゼントした。