11月の米大統領選に出馬すると電撃発表して世間を驚かせた米歌手カニエ・ウェスト(43)が、サウスカロライナ州チャールストンで先週末に行われた初の選挙集会で長女を中絶しようとした過去を涙ながらに告白したことで妻でタレントのキム・カーダシアン(39)との関係に亀裂が入ったと米ピープル誌などが伝えている。

人工妊娠中絶に反対していることを公言しているウェストは、防弾チョッキ姿で登場すると演説中にカーダシアンとの間に授かった長女ノースちゃん(7)について、「俺は娘を殺しかけた」と興奮状態で叫びだした。ラッパーとして売れっ子だった当時、恋人から泣きながら電話で妊娠を告げられたと振り返り、「この演説の後で妻は離婚すると言いだすかもしれないけど。俺が子供を望んでいなかった時、妻はノースをこの世に誕生させてくれた。彼女は立ち上がって子供を守ってくれた」と観衆に向かって語り始めた。「彼女は飲んだら子供がいなくなる薬を持っていた」と極めてプライベートな事柄まで公にしたことにカーダシアンはひどく動揺し、激怒しているとピープル誌は関係者の証言を伝えている。

2016年に重度のストレスのために精神科病院に入院したウェストは双極性障害と診断されており、大統領選への出馬を表明した際も躁(そう)状態になっているのではないかと心配する声が上がっていた。躁鬱と闘ってきたウェストは、時々薬の服用を拒否することもあり、カーダシアンも夫の精神状態を心配していたという。しかし、今回の一件ではノースちゃんが大きくなった時に父親が自分を中絶しようとした事実を知って傷つくことは明らかで、大きなショックを受けているという。夫妻には他にもセイント君(4)、シカゴちゃん(2)、サーム君(1)の3人の子供がおり、中絶発言で一線を越えてしまったとカーダシアンは激怒しているとUsウイークリー誌も伝えている。カーダシアンはウェストの演説について沈黙しており、SNSでもコメントなどはしていない。(ロサンゼルス=千歳香奈子)