今年3月末で英王室を引退し、現在は米ロサンゼルスで暮らしているヘンリー王子(35)とメーガン妃(38)夫妻が、ドローンを飛ばして自宅内部や長男アーチー君(1)の姿を撮影しようとしたパパラッチを訴えたことが23日、明らかになった。ロサンゼルス(LA)・タイムズ紙によると、夫妻はパパラッチから自宅でハラスメントを受けたとして、ロサンゼルス郡高等裁判所に提訴したという。

夫妻は、新型コロナウイルスによるパンデミックの最中の3月に、滞在先のカナダ・バンクーバー島からロサンゼルスに移住し、ハリウッドセレブのタイラー・ペリーがビバリーヒルズに所有する1800万ドル(約19億8000万円)とも言われる豪邸で、新生活をスタートさせていた。移住後は外出自粛命令が出されて自宅に引きこもる夫妻の近影を求めて報道はヒートアップ。5月には裏庭で遊ぶアーチー君の姿を撮影するため邸宅の上空を低空飛行するドローンが目撃されていた。

米メディアによると、夫妻は身の危険を感じると複数回にわたって警察に通報していたと伝えられている。カリフォルニア州では、望遠レンズやドローンを使って自宅敷地内にいる人物を撮影することは法律で禁じられている。

LAタイムズ紙によると、夫妻は誰がドローンを飛ばして撮影したのか分からないため、訴状に被告の名前は明記されておらず、召喚状を通じて写真を撮影して売り込みをした人物を特定する狙いがあるという。夫妻は昨年も、英オックスフォードシャーにある私邸の上を低空飛行するヘリコプターから撮影された写真をめぐってパパラッチを訴えて謝罪と賠償金を受け取っているほか、メーガン妃が疎遠になっている実父に宛てた手紙の掲載をめぐっても英大衆紙も訴えている。

夫妻の代理人は、「誰もが自宅でのプライバシーを保護する権利があり、それは元王室の人たちも同様だ」とコメントしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)