世界3大映画祭の1つ、ベネチア映画祭(イタリア)のVR(仮想現実)部門の審査員3人のうちの1人に、世界的なゲームデザイナーとして知られる、小島秀夫氏(56)が選ばれた。26日に同映画祭事務局が発表した。

小島氏は1986年(昭61)にゲームメーカーのコナミに入社し、翌87年に発売した「メタルギア」、翌88年の「スナッチャー」など、自身が愛好した映画的な作風のゲームで高い評価を受けた。98年に発売したプレイステーション用ソフト「メタルギアソリッド」は、全世界で約660万本を売り上げ、01年には米誌ニューズウイークで「未来を切り開く10人」に日本人でただ1人選ばれた。

小島氏は15年にコナミを退社し「小島プロダクション」を設立。19年11月にプレイステーション4用ソフトとして発売した新作「DEATH STRANDING」は、北米大陸を横断し次世代通信インフラ「カイラル通信」をつなぐ物語で、各国で「映画のようだ」と大絶賛を受けている。

ベネチア映画祭公式サイトは、小島氏について「この分野の創造性の境界を押し広げたことで世界的に知られているビデオゲームの作者。敵に発見されないようにするプレーヤーのスキルに基づいたアクションビデオゲーム『ステルスジャンルの父』と広く見なされている。『Death Stranding』は国際的に高い評価を得ています」と紹介した。

今年で77回目を見返る同映画祭は、9月2日から12日まで開催される。最高賞金獅子賞を争うコンペティション部門の審査委員長は、オーストラリアの女優ケイト・ブランシェット(51)が務める。