アイドルシンガーの七瀬美菜が4日、石川県金沢市にある生活介護事業所「サンサンクラブかがやき」(NPO法人WAC輝き)を訪れた。5月、七瀬の熱烈なファンである地井健太さんが働く同事業所に、七瀬がマスクを寄付したことで訪問が実現した。

全国各地でマスク不足が叫ばれていた今春。同事業所でも不足が続いていると聞いた七瀬は「東日本大震災時の『奪い合えば足らぬ 分け合えば余る』という言葉を思い出し、残っていたマスクを送ろうと思った」と振り返る。

地井さんは、七瀬にとってかけがえのないファンだ。重い障がいを抱え、遠方のライブに足を運べない地井さんのために去年「けんたさんプロジェクト」を立ち上げ、全国各地で行う自身のライブに募金を実施。念願かなって、昨年末、兵庫県尼崎市で開催されたクリスマスライブに、地井さんを招待した。

また地井さんは七瀬への思いをつづった歌詞をプレゼント。その歌詞を七瀬がアレンジし、作曲した「君と僕のそばにも」は、7月のオンラインライブで披露された。「障がいのある方にも生きやすく、夢のある世界を」との思いを胸に、2枚目のメジャーアルバムに同曲の収録を予定している。

感染予防のため、今回は施設内には入らずに玄関口で約1時間ほど、言葉を交わした2人。地井さんは「当分の間会えないと思っていたが、会えてうれしかった」と話し、再び寄付されたマスクを手に笑顔を見せた。七瀬は「ファンの皆様を元気づけられる活動を続けていきたい」と、決意を新たにした。