東京国際映画祭事務局は6日、33回目を迎える今年は、19年まで実施していたインターナショナルコンペティション、アジアの新鋭監督を集めた部門「アジアの未来」、日本映画の気鋭作品をそろえた「日本映画スプラッシュ」の3部門を1つに統合すると発表した。「TOKYO プレミア2020」と題し、さまざまな賞を競う形ではなく、全作品を対象に観客の投票で決める「観客賞」を設けることにしたという。

関係者は、日刊スポーツの取材に、新型コロナウイルスの感染が拡大しているが、現状では10月31日から11月9日まで開催するべく準備を進めていると説明。閉会式も、例年のように華々しいものではないが、開催する方向で考えていると明かした。

観客賞については、賞を象徴するトロフィーなり、何らかのものを用意する見込みで調整していると説明。観客の投票については、会場で用紙を配る、もしくはインターネット投票など幾つかの手法が考えられるが、現状では検討中だという。

一方で、関係者は「TOKYO プレミア2020」と題して観客賞を設けるのは、世界的な感染拡大で監督や俳優、観客も含めた人の国際的移動が困難で、感染対策の徹底など多くの制約があり、例年通りの開催が難しいための緊急措置だと説明。「基本的には今年だけの措置と考えています」と強調した上で、新型コロナウイルスの感染拡大が収束した場合、21年以降は従来通りに各賞を競う形に戻したい考えを示した。

その上で、関係者は「基本的には開催すべく準備は進めていますが、感染がさらに拡大し、東京都などから開催への自粛要請が出たら、やりたくても出来ませんから…」と苦しい現状を吐露した。