阪神OBの掛布雅之氏(65=HANSHIN LEGEND TELLER)が19日、大阪市内のホテルで俳優の辰巳琢郎らと「ONE KANSAIで『関西フィル応援プロジェクト』」記者発表会に出席した。

関西フィルハーモニー管弦楽団は20年12月に創立50周年を迎えるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で運営が困難になっているという。今回、同フィル首席指揮者の藤岡幸夫氏が発起人となり、関西に縁のある人々、企業の協力を得てクラウドファンディングを立ち上げることを決定。

藤岡氏と親交がある掛布氏は「初めてコンサートに行かせてもらった時、あれだけの楽器の音が1つになり、僕の耳、体、全部に響いてきた。甲子園の左打席で掛布コールを聞いているような激しい音というものを関西フィルのオーケストラに感じた。コロナ禍でいろいろ大変な時代。心の笑顔を忘れないためにも、関西フィルの音は絶対に必要だと思う」と力説した。

同フィルの浜橋元専務理事によると、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響ですでに年間の3分の2程度にあたる約60公演が中止、延期になっている。開催した演奏会にも入場制限がかかっており、現時点で2億円に近い経済的損失があるという。クラウドファンディングの目標額は5000万円。浜橋専務理事は「予定通り集金できたら本年度はなんとか生き延びられる」と厳しい状況を説明した。

クラウドファンディングの実施期間は8月19日から11月30日まで。「お礼の品」には同フィルに関わるものだけでなく、掛布氏が阪神2軍監督時代に使用したサイン入りユニホーム上下など30点に上る。詳細は同フィルのホームページ内に特設されたクラウドファンディングサイトまで。