竜星涼(27)が5日、東京・ユナイテッド・シネマ豊洲で行われた主演映画「リスタートはただいまのあとで」(井上竜太監督)公開記念舞台あいさつで、芸能生活10年を迎えた思いを聞かれ「俳優という職業を僕が背負ってやっていかなければいけない」と決意を示した。

竜星と、今作で初共演し、ともに主演を務めた古川雄輝(32)は、芸能生活10周年を迎えた。今後、チャレンジしたいことについて聞かれ、 竜星は「いつの間にか10年たっちゃったって感じがして、まだやり始めって感覚でいられないのは寂しいような気がしますが、でも今回のコロナの影響もあって、1回足を止める時間が僕にとってすごくいい時間になりまして、自分にとって“俳優とは”ということを考える時間になりました」と、しみじみ語った。その上で「それこそいいリスタートのタイミングと言いますか、これから先のことを考えるいいチャンスになったので、2000年の歴史がある俳優という職業を僕が背負ってやっていかなければいけないという決意みたいなものは、この10年の節目のタイミングで考えられてよかったなと思いますね」と熱く語った。

一方、古川は「最初は何も分からない状態で、この世界に入ってきて、がむしゃらにやってきた部分もあるので、なかなか自分の思い通りにいかなかったり、後悔する部分があったり、それこそリスタートしたいことも多かったんですけど、その思いを生かして、これから先10年はお世話になった方々に恩返しができるような作品に出会って、やっていけたらいいなと思っています」と語った。

古川は映画のタイトルにちなみ「リスタートしたいことは?」と聞かれると「大学卒業して10年たつんですけど、卒業後はお芝居以外の勉強をあまりしてこなかったので、改めて勉強をリスタートしたい気持ちがあります」と語った。その上で「学生の時に興味なかったことに、この年齢になって興味が出てきたりすることもあるので、新しい知識を学びたいなという意味で勉強をリスタートしたいなと思っています」と、改めて勉強に取り組む意欲を示した。

竜星は、同じ質問に「今の人生においてリスタートしたいなと思うことがないくらい、満足しているんですよ。いろんなものを見させてもらったし、今のままでいいかなと」と笑った。その上で「あえて言うなら、もうちょっと学生の時に歴史とか漢字とか、そういう勉強をしていれば、今また勉強しなくても良かったなって。(学生時代に)あまり勉強しなかった点だけ反省しています。リスタートというより反省ですね」と語った。

「リスタートはただいまのあとで」は、ココミ氏の同名漫画の実写化作品。上司に人間性を否定され、会社を辞めて10年ぶりに田舎に戻った光臣(古川)が、近所で農園を営む熊井のじいちゃんの養子大和(竜星)と出会う。父親に実家の家具店を継ぐことを拒否された光臣が、農園の手伝いを始め、過ごす時間が増える中、励まし、寄り添ってくれる大和が大切な存在となり、酔いつぶれた際にキスしてしまう、純愛ボーイズラブ(BL)の物語だ。

2人は今作で初共演した。再び2人で共演するならどんな作品や役をやってみたいか聞かれると、古川は「今回の映画もそうですけど、キャラクターのキャスティングが、僕の性格と竜星君の性格に合ったような分けられ方をしているので、次は逆でやってみたら面白いかなと思います」と提案。竜星が「なるほど! (古川の)めちゃくちゃ陽気なキャラを見てみたいです」と返すと、会場から笑いが起きた。古川が「すごい笑うなあ」と苦笑すると、井上監督は「企画します。陽気な古川君を」と約束した。

竜星は「最近、癒やされたことは?」と聞かれると「撮影中は地元の人たちと飲みに行くことがあったんですけど、それはいい息抜きになって癒しになりましたね」と振り返った。撮影は長野県千曲市、上田市で行ったといい「そこで出会った人たちが最近、『新聞に載ってるよ』とか『見たよ』とか、そういうLINEを送ってくれるんですよ。それは、ほっこりしますね」と、今でもロケ先で出会った人々の声援に支えられていると語り、笑みを浮かべた。