ミュージカル「ビリー・エリオット」(東京公演16日~10月17日)のプレスコール(報道用舞台稽古)が14日、都内で行われた。

17年に日本初演され、大盛況だった同作。不況にあえぐイングランド北部の炭鉱町を舞台に、バレエダンサーを夢見る主人公ビリーと彼を取り巻く大人たちの姿を描いた物語が3年ぶりに再演される。

演技や歌、バレエやタップダンスなどの能力が必要なビリー役には、1500人を超える応募の中から中村海琉(かいる=11)、利田太一(12)、川口調(しらべ=12)、渡部出日寿(でにす=12)の4人が選ばれた。この日はそれぞれ別のシーンを演じた。

年明けから徐々に始動し、3月に本格的なレッスンが始まったが、新型コロナウイルスの影響で中断を余儀なくされた。さらに7月~8月に予定されていた東京公演(前期)は全て中止となった。

11日からオープニング公演が始まったが、4人は「本番を迎えられてうれしい」と口をそろえた。

ビリー役を射止めた実感を問われ川口は「ビックリした。日にちが経つにつれて『ぼくは選ばれしものなんだな』って感じがしました。自分に自信が持てました」と初々しく答えた。演技が得意といい「お客さん達にビリーが今どういう気持ちなのか、相手にどうして欲しいとか伝わる演技を目指したい」。

利田は17年の際もオーディションを受けたといい「決まったときにすごくホッとしました。20年は受かることができてうれしい」と念願の役を勝ち取り、笑顔を見せた。

タップダンスが得意という中村は「お客様にタップで楽しんでいるところ、感情を出せるところを楽しんでもらえれば」とアピールした。

バレエが得意という渡部はこの日、「Solidarity(団結を永遠に)」のシーンで見事なバレエのターンを見せた。「心の移り変わりをしっかり表現できるように頑張りたい」と意気込んだ。

また宝塚星組出身の柚希礼音(41)、安欄けい(49)がビリーの通うバレエ教室のウィルキンソン先生を演じる。

ビリーの父親役は橋本さとし(54)と益岡徹(64)が演じる。

◆川口調(かわぐち・しらべ)2007年(平19)11月23日生まれ。NHK連続テレビ小説「まんぷく」などに出演。特技はバトントワールングで全日本選手権大会優勝経験もある。

◆利田太一(としだ・たいち)2008年(平20)6月3日生まれ。幼少期よりバレエをはじめ、コンクールで入賞経験多数。

◆中村海琉(なかむら・かいる)2008年(平20)11月5日生まれ。ボーイズソプラノユニット“ソプラノ♪7ボーイズ”のメンバーで活躍。タップダンスも得意。

◆渡部出日寿(わたべ・でにす)2007年(平19)10月14日生まれ。両親ともに世界トップクラスのバレエダンサーというサラブレッド。自身も数多くのコンクールで入賞経験あり。特技はロシア語。