女優芦名星(あしな・せい)さん(本名・五十嵐彩)が14日、東京・新宿区の自宅マンションで亡くなったことが分かった。36歳だった。

捜査関係者によると、現場の状況から自殺を図ったとみられ、警視庁では詳しく調べている。クールビューティーで、数々のドラマや映画を彩ってきたバイプレーヤー。テレビ朝日系ドラマ「相棒 season19」(10月放送開始)など出演作も控える中で、突然の死だった。

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突然の訃報に、芸能界に衝撃が走った。所属事務所によると、この日午前、親族が東京・新宿区の自宅マンションを訪れて芦名さんを発見したという。複数の関係者の話によると、前日13日から芦名さんと連絡が取れなくなり、親族が14日早朝に自宅を訪ねたという。現場の状況から自殺を図ったとみられ、警視庁では詳しい状況について慎重に調べている。

同事務所は夜、公式HPで「お世話になった関係者の皆様、ファンの皆様にこうしたご報告を差し上げることは大変辛く、悲しく、残念でなりません。大切な仲間の突然の訃報に接し、所属タレント・社員共に、今はまだ現実を受けとめることすら出来ない状態です」と無念の思いを記した。

芦名さんは現在、フジテレビオンデマンドで放送中の「あの子が生まれる…」に出演中。18年から週刊誌記者役で定期的に出演し、10月から放送予定のテレビ朝日系ドラマ「相棒」の新シリーズにも出演予定で、同局は「あまりに突然のことで言葉もございません。芦名さんのご冥福を心よりお祈りいたします」とコメントした。芦名さんの出演シーンの撮影が進んでいたかについては「番組の制作過程に当たりますので、お答えは控えさせていただきます」とした。

福島・郡山市出身の芦名さんは、中学卒業後に上京。高2でスカウトされたことをきっかけに、02年にモデルデビューすると、ファッション誌「CanCam」などに登場。03年にTBS系ドラマ「Stand Up!!」で連ドラ出演し、08年に日本・イタリア・カナダの合作映画「シルク」のヒロインに抜てきされて注目されると、女優としても活躍してきた。

13年にはNHK大河ドラマ「八重の桜」に出演。今年は1月に映画「AI崩壊」が公開。TBS系ドラマ「テセウスの船」では、もの静かな謎めいた女性役を好演するなど、ヒロイン役から脇役まで、数々の作品で存在感を発揮した。

昨年5月には、ドラマで共演した小泉孝太郎(42)との交際を一部週刊誌で報じられたが、関係者によると昨年までに破局したとの情報もある。先月25日発売の「FLASH」では、趣味の筋トレで鍛えた姿をグラビアで披露。この日発売の「週刊プレイボーイ」でも下着グラビアを披露し、多趣味な芦名さんは、今やってみたいこととして、ドラムやアクションの芝居、日本酒の勉強などを挙げ「いっぱいありすぎて悩みます」と語っていた。

また、東日本大震災直後から被災者支援の「あの鐘を鳴らすのはあなた基金」の活動にも積極的に参加。実家の両親らが被災した芦名さんは「皆さんの気持ちが本当にうれしかった」と感謝していた。

◆芦名星(あしな・せい)1983年(昭58)11月22日、福島県生まれ。02年にモデルとしてデビュー。その後、女優として03年にTBS系「Stand Up!!」で連続ドラマ初レギュラー出演。TBS系「ブラッディ・マンデイ」、NHK大河ドラマ「八重の桜」、テレビ朝日系「相棒」、TBS系「テセウスの船」や映画「検察側の罪人」「パーフェクトワールド 君といる奇跡」「AI崩壊」など出演作多数。165センチ、血液型O。