サッカー元日本代表MF中田英寿氏(43)が立ち上げた、世界に誇れる日本の文化や生産者の情報を発信する日本文化再発見ウェブマガジン「にほんもの」が15日、リニューアルオープンした。

その最大の目玉として、中田氏が2009年(平21)から始めた、日本全国47都道府県をめぐる旅の中で、実際に足を運んだ約2000カ所の中から、一部を体験できる機能として、同氏“こだわりの逸品”を購入できるオンラインストア「にほんものストア」がオープンした。

「にほんもの」は、中田氏が実際に訪問した農家や工芸家、蔵元など、ものづくりの生産者と触れ合い、体験したことを紹介するウェブマガジンだ。これまではアーカイブス的な要素が強かったが、関係者によると、今回のリニューアルでは日本の伝統芸能、神社仏閣など、日本国内を旅する際のガイドブックとしても活用できる形にすることに注力したという。訪問先を紹介するだけでなく、より多くの人々に日本の良さを知ってもらうための、きっかけを作る場として、世界に誇れる日本の伝統や文化などを継承していくことが目的だ。

中田氏は、自身がMCを務めるJ-WAVE(東京)「VOICES FROM NIHONMONO」(土曜午後10時)12日放送回で、今回の「にほんもの」リニューアルについて思いを語っている。

「これまで10年くらいの時間をかけて日本全国を回ってきた中で、本当に素晴らしいと思える生産者の情報を集めたメディア『にほんもの』をリニューアルします。前々からリニューアルは考えていましたが、宿や食、職人や日本酒の作り手など、今までは各土地を回りながら、それぞれをアーカイブ的に残してきましたが、それらを皆が使える情報として紹介できればと思っています。僕自身も地方に行く際に、今までの蓄積された情報を見ながらプランを組むことが多々あったので、地方などに旅行に行く際に『にほんもの』を見て自分のプランを決められるようリニューアルをします。旅行に行く時、例えば、宿や食事の情報をバラバラに調べることが多かったと思いますが、このリニューアルを機に、どちらの情報も調べてもらえるようになるほか、宿、レストラン、お寺、神社、景勝地、日本酒蔵など、今だからこそ必要な地方の情報を集めています」

今回、新たに立ち上げる「にほんものストア」には、1867年(慶応3)創業の広島県のかなわ水産が、生活排水が流れ込まない清浄海域に指定される瀬戸内海の大黒神島周辺で育てた生食用のかきを使用したかきフライや、かつおの一本釣り漁業が盛んな高知県土佐宇佐町の竹内商店が丹念に作り上げた、かつお節などの逸品が並ぶ。また、商品を購入できるだけでなく、日本のもの作りや文化の素晴らしさを、より多くの人が知り、興味を持ってもらえるよう、生産者のストーリー動画など、写真だけでは伝えることができない生産者のこだわりや思い、地域に根付く文化なども知ることが出来るコンテンツもある。

中田氏は「『にほんもの』のリニューアルと合わせて、これまで地方を見て回った中で、これはいいぞ、というものをセレクトしたショップをECサイトとしてオープンします。これから、より生産者を増やしていきながら、生産者がつながれるサイトを作っていきたいと考えています。モノの情報は検索して調べられますが、背景を伝えるというやり方をどのようにできるか、訪れながら生産者の声を届ける、ラジオや映像という形でやっていくことが重要だと」と語った。

「にほんものストア」のオープンを記念して梅田 蔦屋書店(大阪)で15日から、広島 T-SITEで21日から、それぞれ1カ月間「にほんものストア」で取り扱う逸品の中から、一部を購入することが出来るポップアップショップがオープンする。さらに15日から「中田英寿のニッポン文化特別講義」特集が掲載された「Pen」(CCCメディアハウス)10月1日号が、全国の書店で発売される。