グループサウンズのザ・タイガースのメンバーでタレント岸部四郎さん(きしべ・しろう)が死去していたことが15日、分かった。71歳。

近年は自律神経などの不調で休養することも多かった。亡くなったのは8月28日午前4時33分で、拡張型心筋症による急性心不全のため千葉県内の病院で旅立った。京都府出身。葬儀は近親者の間で行った。

岸部さんは音楽グループのザ・タイガースに「岸部シロー」として加入。その後は俳優活動も並行してテレビドラマ「西遊記」の沙悟浄役として堺正章と共演するなど人気を集めた。俳優の岸部一徳(73)は実兄。

私生活では1985年(昭60)年に14年間連れ添い、1男1女をもうけた夫人と離婚。その後、94年に小緒里(さおり)夫人と再婚したが、夫人は2007年(平19)4月6日に43歳の若さで他界。自宅で倒れているのを岸部が発見し、搬送先の病院で死亡が確認された。心臓発作による突然死だった。

小緒里さんは岸部さんとの結婚を機にマネジャーとなり、98年に岸部さんが自己破産した後も支えた。当時岸部さんはマスコミ各社に送ったファクスで「私には彼女しかいないという思いで生きて参りました。彼女に何かもっとしてやれたことはなかったのかと悔やむ思いばかりです」と話していた。

2011年には、自律神経などで体調を崩していたが、車いすで映画のイベントに出席。同じ元タイガースの沢田研二について言及し「タイガース再結成? 実現するかもしれない。まず、元気にならないと。(舞台で)せめては歩きたい」と意欲をみせていた。13年12月にザ・タイガースの再結成公演に姿を見せた。

◆岸部四郎(きしべ・しろう)本名同じ。1949年(昭24)6月7日、京都生まれ。中学卒業後、印刷会社で2年間勤務した後上京。69年に当時一世を風びしたグループサウンズ「ザ・タイガース」のメンバーに参加、解散後は俳優としてテレビ、映画などで活躍した。84年10月から日本テレビ「ルックルックこんにちは」の司会を13年務める。「蓄財家」「締まり屋」との評判から、83年にはノウハウ本「暗くならずにお金が貯まる」を出版。