日本民間放送連盟の大久保好男会長の定例会見が17日、都内で行われ、NHKが発表したネット事業の業務拡大案について、苦言を呈した。

NHKは15日、来年度以降の、NHKプラスなどでのテレビ番組のインターネット同時配信などについて定めた「ネット活用業務実施基準」の素案を公表。これまで受信料収入の2・5%以内としてきた業務費用の上限枠を削除し、ローカル番組の配信強化や国際放送の海外での配信を強化する方針を示した。

このNHKの素案について大久保会長は「放送法ではNHKのネット事業は放送の補完であって、任意業務。過大な費用を要するものでもない。そもそも受信料収入を放送以外に使うのであれば、一定の制約があるのは当然。ネットには抑制的に使うべき。2・5%を1年で撤廃するなら、これまでの放送法改正の論議は何だったのか」と厳しい言葉で批判した。

さらに、上限撤廃を表明したことについては「あらためて目標の入った上限を定めてほしい。抑制的に管理する指標が必要だ。このままでは同意できない」と指摘した。

ネット事業費をめぐっては、NHKは昨年、受信料収入の最大3・8%まで拡大できる計画を総務省に申請したものの、「民業圧迫」を唱える民放の反対などもあり、2・5%に落ち着いていた。