8月10日に肺炎で亡くなった俳優渡哲也さん(享年78)について、所属事務所、石原プロモーションの石原まき子会長が9月30日、手紙の形でコメントを発表した。まき子さんは「石原の居る来世に旅立ちさせて頂きました」と記し、87年に亡くなった夫で俳優石原裕次郎さんと渡さんの強いきずなに触れた。渡さんが亡くなった件にまき子さんが言及するのは初めて。先月16日に四十九日法要を終え、一区切りがついたためコメント発表となった。

渡さんの密葬、四十九日法要は家族だけが参列して営まれた。関係者によるとまき子さんは、渡さんが亡くなった日から四十九日まで喪服で過ごしていたという。渡さんの妻俊子さんとは電話で話し、励ました。落ち着いたら墓参することも伝えたという。まき子さんは手紙で「生前のご厚誼を感謝し慎んでお礼申し上げます。渡哲也の生前からの強い申し出で家族葬で静かに送り、偲ぶ会も行わないでほしいとの遺言に従いご家族、会社が徹底して故人の希望に従い執り行いました」と報告した。

裕次郎さんが17年間、渡さんが33年間CMに出演した宝酒造への感謝も記した。CMが始まり、今年で2人合わせて50年。渡さんが節目の年までCM出演を務め上げたことに、まき子さんは「本人も全てを終えさせていただき石原の居る来世に旅立ちさせて頂きました」。宝酒造と石原プロとの契約は来年9月まであり、放送中の裕次郎さんと渡さんの共演編へのリクエストも多いという。

渡さんは71年、尊敬する裕次郎さんが立ち上げた石原プロに入社。当時、存続危機に面していた同プロの再建に貢献した。裕次郎さん亡き後は、社長に就任。その後、相談取締役を務めるなど支えてきた。石原プロは来年1月に俳優マネジメント部門を廃止し業務変更、事実上解散することが決まっている。