佐藤アツヒロ(47)が6日、東京・浅草九劇で、主演舞台「YARNS(ヤーンズ)」(7日~11月8日まで)の公開ゲネプロ&取材会に出席した。

悩める現代人と、話を聞くカウンセラーの静かな会話劇。高校の同級生との再婚を考えるスガヌマ(佐藤)は、ある日から見知らぬ女の夢を見始める。この夢に悩み、精神科医の勧めで治療を始めることになる。

複数のアクリル板が置かれたステージを、透明のシートがぐるりと囲む特殊な舞台装置の中で演じる。佐藤は「劇場に入って驚きました。(新型コロナの)感染対策を含めて、今回のこのセットです」と話した。劇場が暗転すると、透明のセットが鏡のように反射。役者からは客席が全く見えなくなるといい「自信を持ってやりたいけれど、不安になってしょうがない」と苦笑い。「心の汗はかいているけど、(会話劇なので)汗は全くかかない。こんな芝居はないんじゃないかな」と話した。

コロナ対策のため、週1回の頻度でPCR検査を実施している。出演者らとの食事会もできていないが「稽古場で1時間くらい“飲んでいる風”にしゃべってみたり。いろんな意見が出て楽しかったです」と振り返った。

演出の鈴木勝秀氏とは6回目のタッグとなる。佐藤は、コロナ禍を生かした鈴木氏の演出に「演劇の可能性を感じました。スズカツさんがすごいし、その中にいられることがうれしい」。鈴木氏も「アツヒロでやってよかった。感性のところで分かってくれるのでありがたい」と感謝していた。

東京のほか、大阪は梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(11月21~23日)でも上演。