欅坂46が13日、ラストライブ2日目公演の生配信を行い、5年間の歴史に幕を閉じた。最後のステージでも、独特の世界観やパフォーマンスは健在。激動の5年間を、有終の美で締めくくった。改名した「櫻坂46(さくらざかフォーティーシックス)」としての初パフォーマンスもサプライズ披露し、新たなスタートを切った。

   ◇   ◇   ◇

ライブ本編後、「欅坂46を、超えろ」と巨大モニターに表示されると、新しいグループカラーである白の衣装を着たメンバーたちが登場した。櫻坂46のファーストシングル「Nobody’s fault」(12月9日発売予定)を初披露した。センターの二期生、森田ひかる(19)を中心に、時折笑顔も見せながら、力強いパフォーマンスを披露した。

ラストライブは2日間行われた。12日の初日は、「不協和音」「黒い羊」「大人は信じてくれない」など重厚なナンバーを次々と披露し、「静」を表現。13日の2日目では一転、「危なっかしい計画」や「世界には愛しかない」など、明るいナンバーで「動」の側面を披露した。無観客ならではの、会場全体を使った広大なプロジェクションマッピングなどの映像技術を惜しみなく導入。グループの魅力を余すところなく表現した。2日間累計で19万の視聴チケットが売れた。

欅坂46は15年8月に結成し、16年4月にデビュー。過去の人気アイドルグループには見られなかった、メッセージ性の強い楽曲と、クールな世界観のパフォーマンスが話題となりブレーク。今を時めく「坂道シリーズ」の枠に収まらず、絶対的センターだった平手友梨奈(19)を中心に既成概念を次々と壊し、独自の存在感を強めていった。今年1月に平手が脱退。7月に改名、再出発を発表した。

ライブ終盤、キャプテン菅井友香(24)は涙目になりながら「皆さんとの思い出を決して忘れません。欅坂がなくなっても、私たちの楽曲が、皆さんの心の中で生き続けてくれたらうれしいです」と、笑顔で呼び掛けた。新センターの森田は「櫻坂46として、これからもどんどん、みんなと同じ方向を向いて、笑顔で頑張っていきたいです」と意気込んだ。アイドル史だけでなく、音楽史に確かに刻まれた5年間を胸に、新たな歴史が開花する。【横山慧】

<欅坂46のあゆみ>

▼15年8月 一期生オーディション最終審査を開催し結成。当初は「鳥居坂46」のグループ名でメンバーを募集していたが、合格発表時に「欅坂46」への変更が発表された

▼16年4月 シングル「サイレントマジョリティー」でデビュー

▼同12月 初の単独ライブを東京・有明コロシアムで開催。「NHK紅白歌合戦」に初出場

▼17年1月 菅井友香がキャプテン、守屋茜が副キャプテンに就任

▼18年11月 二期生9人が加入

▼19年9月 初の東京ドーム公演を開催

▼20年1月 全シングルでセンターを務めた平手友梨奈の脱退、鈴本美愉と織田奈那の卒業を発表

▼同2月 坂道研修生から欅坂46に配属が決まった新2期生6人が加入

▼同7月 配信ライブを開催し、グループの改名再出発を発表

▼同8月 配信限定のラストシングル「誰がその鐘を鳴らすのか?」リリース

▼同9月 新グループ名「櫻坂46」を発表

▼同10月12、13日 ラストライブを開催